「二度と結婚しない」と誓った彼女が再婚した訳 「ご縁とタイミング」はこうしてやってくる

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そんなときにアプリで出会ったのが順一さんだ。同じく離婚歴があり、最初から美里さんへの好意と誠実さを隠さなかった。できれば「生涯のパートナー」を見つけたいと思っていた美里さんは覚悟を決め、連絡を取り合っていたほかの男性にはお断りのメッセージを送った。

順一さんは当初から美里さんとの結婚を望んでいたようだ。しかし、美里さんは結婚には興味がないと言い切っていた。心優しい順一さんは美里さんに結婚を迫ることはせず、近所に引っ越してくるなどのいじらしい努力をした。美里さんも「尊重してもらっている」と感じ続けていたようだ。

しかし、都合がいいことばかりは起こらない。順一さんから友人たちを紹介される前日になって、アプリでのプロフィール情報に偽りがあったことを明かされたのだ。

「バツイチだと書いていたのに実はバツ2でした。二度も離婚歴があると出会いの幅が狭まると考えたようです。付き合い始めてから半年も経ってからの告白にびっくりしました。なぜうそをつく! 秘密を話してスッキリしてグーグーと寝ている彼の傍らで、私は怒りで眠ることができませんでした」

早期退職の募集で、急転直下…

そんな出来事がありながらも交際は続き、今度は美里さんの状況と心境が変化する。勤務先の百貨店が早期退職制度を発表。多めの退職金が支給されることを知り、美里さんは「辞めどきだな」と感じつつ、現在の自営業を始めるにあたって安全保障が欲しいという下心が働いた。そして順一さんに持ちかけたのだ。

「今なら結婚してもいいかな、と思っているけれど、どう思う?」

順一さんの返事はもちろんYES。美里さんには「食いっぱぐれないための保険」という気持ちもあったのだが、それはさすがに伝えられなかった。

「でも、夫は察していたと思います。それまでにも一緒にファイナンシャルプランナーに相談に行ったことがありますから。私は会社員時代に仕事のストレスで洋服をたくさん買ったりタクシーで帰宅したりしていました。年収200万円で同じような支出を続けたら、貯金を食いつぶして65歳で破綻することがわかったんです」

次ページ心がほどけていった順一さんの言葉
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