発売から38年の「電気圧力なべ」突然大ヒットの理由とは? 復活

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発売から38年の「電気圧力なべ」突然大ヒットの理由とは?

成熟化が著しい国内白モノ家電市場で、驚異的に販売を伸ばす商品がある。松下電器産業の「電気圧力なべ」だ。それまで年間3000台程度だった販売台数が、2007年度は一気に5万5000台に達する見込み。

高圧をかけるガス圧力鍋は食材に火が通りやすく、煮物などを短時間で調理できる。ただ、時間を正確に計って火加減を調整する必要があるなど、扱い方が難しいとのイメージが消費者の間で浸透していた。これに対し、「電気圧力なべ」は食材を入れて時間を設定すれば、後は調理が終わるのを待つのみ。高齢者も安全で簡単に扱える。

実は「電気圧力なべ」は1970年に発売された商品。しかも30年以上も基本的なデザインや機能は変わっていない。ただ、消費者への認知度が極端に低く、「社内ですら存在を知らない人間がほとんどだった」(商品企画を担当した高橋宏明氏)。

そこで高橋氏は、松下系列の販売店を中心にこの商品を使った料理を実演。調理師学校と組んでレシピ集も作った。これらの地道な宣伝活動が奏功し、人気が沸騰。一時は生産が間に合わずに品切れを起こしたほどだ。現在、圧力鍋市場は約130万台。「電気圧力なべ」の開拓余地は大きい。「さらに商品の認知度を上げて成長させていきたい」と高橋氏は意欲を燃やす。
(週刊東洋経済:中島順一郎)

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