「上場企業財務力ランキング」最新トップ300社 1位になったのは「スイッチ」が好調の任天堂

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3位は昨年4位から上昇した伊藤忠商事(3721点)。成長性941点、収益性802点、安全性978点、規模1000点と安全性、規模が高得点だった。2019年3月期はユニー・ファミリーマートホールディングス(現ファミリーマート)の連結子会社化などで規模拡大。

IFRSの基準適用による特殊要因で売り上げが急増しており、成長性はかさ上げされた面がある。2020年も営業キャッシュフロー増加などで成長性は高水準をキープし、上位を確保した。伸びの余地がある収益性をどこまで高められるかが順位維持のカギとなりそうだ。

4位は昨年7位から上がったファーストリテイリング(3713点)。成長性880点、収益性833点、安全性1000点、規模1000点だった。同社の対象は2019年8月期までの3期となっている。減収減益の2020年8月期が入る次回の評価は成長性得点が若干下がりそうだ。

5位は昨年3位から順位を下げたキーエンス(3700点)。FAセンサーなど検出・計測制御機器大手の同社は、生産は国内の他社工場などに任せる「ファブレス企業」。成長性822点、収益性878点、安全性1000点、規模1000点と安全性、規模に加えて成長性、収益性も高い。

無借金経営で安全性の高さは際立つ。売り上げも安定的に成長してきたが、2020年3月期は売上高5518億円で前年5870億円から減収。利益も減益となったものの、営業利益率は50%超えを維持するなど財務体質は相変わらず強い。上位確保は続きそうだ。

6位は昨年8位から順位を2つ上げた武田薬品工業(3681点)。成長性916点、収益性794点、安全性971点、規模1000点と高得点。シャイアー買収での売り上げ増など成長性が高水準となった。

7位は昨年97位から急上昇した中外製薬(3678点)。成長性875点、収益性849点、安全性954点、規模1000点と高得点。最高益を更新し続けるなど絶好調。2020年12月期も増収増益は継続で来年も高順位が狙えそうだ。

以下、8位リクルートホールディングス(3669点)、9位三菱商事(3652点)、10位コマツ(3645点)と続く。

11位以下で大きく順位を上げたのは、89位→15位のネクソン(3612点)、111位→37位のNEC(3553点)、103位→52位の第一三共(3522点)、227位→63位のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(3508点)などだった。

各業種のトップ企業はどこか

続いて、各業種のトップ企業をいくつか見ていこう。食料品は34位アサヒグループホールディングス(3560点)が35位JT(3554点)を僅差で抑えた。繊維製品は61位東レ(3510点)が他社を圧倒。機械は10位コマツ(3645点)。電気・ガス業では52位東京ガス(3522点)が114位大阪ガス(3417点)を上回った。情報・通信業は12位KDDI(3637点)、小売業は4位ファーストリテイリング(3713点)、サービス業は8位リクルートホールディングス(3669点)だった。

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