フランス人が憂う日本人女性の置かれた「立場」

日本人女性はもっと発言するべきだ

彼らが気付いていなかったのは、東京オリンピックは日本の近代的な面のみならず、日本女性の惨めな状況といった後進的な面も明らかにしてしまうということだった。彼らにとって不幸なことに、「夢」が実現してしまったのだ。

森氏の発言は、日本のことを少しでも知っている外国人にとっては驚きではない。日本の多くの女性たちは、森氏のような男性たちに日々対処し、声を上げずに苦しんでいるのだ。見下され、使い捨てにされ、威張り散らされ、時には攻撃されたりすることもある格下従業員としての扱いへの不満を、彼女たちはプライベートな場では表明する。しかしおそらく、彼女たちはもっと声を上げるべきだ。

一部の男性が考える女性の「役割」

森氏のような一部の日本人男性は、女性を大まかに2つのカテゴリーに分類しているように見受けられる。「母親」と「ホステス」だ。母親は、結婚相手として子どもを産み、育てる女性たち。ホステスはお金をもらって、男性たちをもてなし、話を聞く女性たちだ。

少なくない日本人がホステスのいるクラブなどを、寿司屋やカラオケのような一般的な施設と捉えており、大臣や企業の社長なども普通に訪れている。私自身も2、3度訪れたことがあるが、居心地のいい場所ではなかった。私の感覚からすると、例外はあったとしても、女性が男性を「もてなす」ことによって料金が発生する関係はとても屈折したものに見える。

日本の女性は一般的な職場でも男性に遅れをとっている。安倍晋三前首相が「ウィメノミクス」を言い始めたとき、世界経済フォーラムの男女平等問題報告書で、日本は101位だった。現在、日本は153カ国中の121位にランクされている。内閣府によると、中間管理職に女性が占める割合は11%、上級管理職で7%、経営者では4%にとどまっており、女性の出世ははばまれている。

男女の賃金格差も、、OECD諸国の平均が13%であるのに対し、日本は23.5%。女性は職場で男性と同じように働くよう言われ、家庭と仕事の両立は不可能だ。日本に25年間滞在し、多くの女性にインタビューしてきたが、いまだに責任ある仕事を持ちながら複数の子どもを持つ女性に出会うことは非常にまれだ。

この国では、女性は若い頃から大変だ。男性がアイドルやその若い身体への幻想に取りつかれている一方で、若い女性たちは自分たちの身体について、その情報を最も必要とする年齢で知らされない。

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