リモートで生産性下がった会社「やりがちな事」 性悪説になった管理だと誰も幸せにならない

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行動目標、いわゆる山の頂上だけ決めて、登り方は任せることが大切です。クライアント企業の管理職の方々に、「目の前に部下がいないテレワーク時代の管理職トレーニング」というプログラムを毎日のようにオンラインで提供していますが、時間で管理する労務管理は、労働基準法上は確かに必要です。

しかし、性善説で勇気を持って任せないと部下が育ちません。行動目標だけ設定して任せてみる。それで到達できなかったら、山の登り方が合っていないので、違う方法を考える─ー。このほうが建設的だと思います。

クロスリバーでは、隠し事をしない、腹を割って話せるという心理的安全性がある前提で、「共通目標を持って任せて、あとはメンバーが自主的に達成する」という姿を目指しています。

「達成する人にはより自由を与える。成果が出ない人には自由を制御して仕事のやり方も含めて指導する」というのが新時代のリーダーに求められることだと信じています。

不安でもマイクロ・マネジメントはしない

コロナ禍の影響でテレワークを導入した企業の半分以上は、評価制度の改定を検討しています。今回テレワークを体験したことによって、「仕事=出勤すること」ではないことがわかったわけです。

「働いたことによって達成した成果を評価してもらう」「それを達成するためにはどういう行動をすればいいのだろう?」ということを、いま一度、働く個人と人事部、経営者が三位一体(さんみいったい)となって考えるべきだと思います。

いまのメンバーシップ型の評価では限界があることは経営者もわかっています。長期間で特定の技術を学ぶという場合はメンバーシップ型が向いています。時間をかけて若い人たちを訓練していくわけですから。ドイツや日本のように自動車産業がある国には、ギルド制や徒弟制、終身雇用があります。技能を後世に残すという意味では賛成です。

しかし、ホワイトカラーに長期の育成が必要かというと、そうではないと思います。今後は定量的な行動目標の達成度を評価する「ジョブ型」と、チームで達成した成果にどれだけ寄与したかを評価する「メンバーシップ型」を組み合わせたハイブリッド型評価になっていくと思います。

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