オリラジが「デビュー直後」にブレイクした必然 武勇伝ネタは「偶然の産物」ではまったくない
そうするうち、入試面接の日がやってきた。1分間のアピールタイムというものがあり、そこでぼくらは練習しまくった漫才をやり切った。
入学試験にパスするだけなら簡単なはずだった。でも、ただの面接と考えてはいけない。
ぼくらにとってこれは、面接という名の勝負なんだ! オーディションの場だ! なんとしても相手に強いインパクトを残すんだ!
そういう気持ちでぶつかっていった。
「どっかで漫才やってたことあるの? え、初めて? ふーん。はい、次のひと」
というのが、面接官をしてくださった方の反応だった。ずいぶん素っ気ない。
でも「やってたことあるの?」と言われたということは、「なかなかやるじゃないか」という意味だと受け取れないこともない。悪くない反応だったように思える。
結果、無事に合格。ただ、そこは当然のこと。
入ってからが肝心なんだ。絶対にスタートダッシュをぶちかまさなければ。かなり気負って、学校に通いはじめた。
入学してから
NSCにはいろんな授業があって、座学もあればダンスなどのレッスンもある。せっかくだからとぼくは、すべての授業にせっせと出席した。
どれもこれまでの自分がまったく知らないことだったから、単純に新鮮でおもしろかった。
一方のあっちゃんはといえば、そういうお笑いに直接つながるかどうかわからない授業には、ほとんど出ようとしなかった。それよりもネタ見せという勝負のときに備えて、神経を集中していたみたいだった。
あっちゃんはなんとしてもネタ見せでインパクトを残すのだ、という気概にあふれていた。影響されやすいぼくもおのずとそうなった。
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