宇都宮LRT、新幹線…「新線工事」はなぜ遅れるか 延期は仕方ないが、問題は「その後の対応」だ
国交省の中間報告書は次のように綴っている。
その後も、鉄道・運輸機構本社には工事遅延の実態が伝わらなかった。
なぜ適切な時期に工程の見直しができなかったのだろうか。整備新幹線は今まで開業延期をしたことがなかったというのも大きな要因かもしれない。成功体験を前提に問題を先送りし続けた結果、いよいよ行き詰まった段階で本社や国、自治体に「戦況」が伝えられることになったのである。
「遅れた後」の対応が重要
工事の遅れを早い段階で正確に認識していれば、実効性のある対策を取ることができたかもしれない。それでも工事が遅れてしまうのであれば次善策を打つことができたはずだ。だが、実際にはクリティカルパスである敦賀駅の工事が間に合わないのに、別の工区では2022年度末の開業に向けて急速施工を行うなど、事業費の浪費も積み重ねられていった。
国交省は昨年12月、鉄道・運輸機構に対し業務運営の抜本的な改善に関する命令を行った。これを受け機構は1月29日、工程管理・事業費管理の体制やルールの見直し、関係自治体等との情報共有の拡充を軸とする改善措置を発表した。
工事は遅れるものである。だからこそ、その後にどんな対応をするかが重要になる。芳賀・宇都宮LRTと北陸新幹線の事例は、新線建設の難しさとともに、マネジメントの重要性を私たちに教えてくれている。
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