北陸新幹線「2023年春開業」は無謀な計画だった

福井駅周辺は延伸開業目指して再開発が進む

北陸新幹線の延伸に向けて工事が進む福井駅東口=2020年10月(筆者撮影)

2023年春の敦賀延伸を目指す北陸新幹線の工事が、計画より1年半遅れ、工事費も2880億円増加していることが、11月11日の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム会合で明らかになった。国は検証委員会を設け、工期短縮と事業費圧縮の対策について12月上旬までに中間報告をまとめる。

沿線に当惑が広がる中、特に先行きが懸念されるのが福井駅周辺の再開発事業だ。北陸新幹線開業を目標に、27階建ての高層ホテルなどが建設される計画で、駅前の区画は10月、既存の建物の解体が始まったばかり。開業に合わせた観光施策にとどまらず、中長期的なまちづくりを視野に入れた、施策や市民意識の再起動がカギを握る。

トンネル工事などに遅れ

工事の遅れと費用増加の要因は、絡まり合って多岐にわたる。石川・福井県境の加賀トンネルで路盤と地下水が反応、トンネル底部が押し上げられ、対策工事が必要になった。また、敦賀駅の新幹線高架下に在来線を乗り入れるため構造が複雑化し、工事が思うに任せず、資機材や作業員が不足。さらに用地買収が遅れて工事が2019年度に集中し、入札の不調や不落が頻発した。これらによる工事の遅れを取り戻そうと、広域から作業員を集め、夜間や冬季にも工事を行って、さらにコストが積み上がった。

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工事の遅れは、2カ月足らずの間に表面化した。各紙の報道によると、自民党の北陸新幹線整備PTは2020年6月24日、会合を開き、新型コロナウイルスによる影響がほぼないことを確認したはずだった。

しかし、9月24日に開かれた与党PTの会合で、国土交通省は加賀トンネルや敦賀駅部分の工期が逼迫していることを初めて明らかにし、沿線に不安が広がった。さらに同チームの細田博之座長は10月9日、予定通りの延伸を求めた北陸3県の知事に、状況が極めて厳しいとの認識を示し、延伸延期が現実味を帯びていた。

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