菅氏を窮地に追い込む与党議員「銀座の夜遊び」 公明・遠山氏は議員辞職、自民党は離党ドミノに

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一方、クリーンを標榜する公明党の反応は「自民党とは違った」(幹部)。不祥事発覚後、遠山氏は平身低頭で謝罪し、党執行部に進退伺いも出していたとされる。しかし、山口代表らは「こちらが先行して遠山氏を処分して、自民党を困らせるわけにはいかない」(党幹部)との判断から、様子見を続けたとみられている。

第3次補正予算が1月28日に成立し、特措法改正などでの与野党修正協議も29日に合意した。水面下で調整のうえ、同日夕刻に松本、遠山両氏が相次いで役職辞任を申し出る形で幕引きを図った。しかし、批判は収まらず、週明けの2月1日にそれぞれ離党と議員辞職を余儀なくされた。

永田町の「マツジュン」と「遠山の金さん」

針のむしろに座る事になった松本氏は、当選7回の閣僚経験者で、所属する麻生派では麻生太郎副総理兼財務相の側近中の側近として知られる。政界では人気タレントに模して「永田町のマツジュン」と呼ばれ、国会対策での実績も持つ有力議員。しかも、菅首相とは初当選同期の親しい仲間で、菅、麻生両氏のパイプ役も務めてきた。

小選挙区となった衆院神奈川1区で1996年に初当選した松本氏は、その後、落選と比例復活を経験するなど、必ずしも選挙基盤は盤石ではない。今回の不祥事とその後の対応の拙劣さから、「次期衆院選では苦戦必至」(自民国対)との声が広がる。

一方、遠山氏は参院議員を経て衆院比例九州ブロックで当選し、次期衆院選では神奈川6区での立候補が決まっていた。党内では「将来の代表候補」との呼び声もあり、こちらも「永田町の遠山の金さん」と呼ばれる有力議員だった。

自らツイッターに投稿した謝罪動画では、「申し訳ありませんでした!」と大声で叫び、画面から姿が消えるくらい深く頭を下げるなど、事態の深刻さに身を縮めていた。遠山氏は週末に議員辞職の意向を固めて2月1日、大島理森衆院議長に議員辞職願を提出した。

遠山氏が出馬を予定した神奈川6区は、前回衆院選で公明党が唯一議席を獲得できなかった小選挙区だ。このため、必勝を期す党執行部が将来のエースと目される遠山氏を落下傘の形で投入していた。

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