定年夫婦が「共通の趣味」など持つ必要がない訳 新婚の頃のように「一緒に楽しむ」のは至難

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では、2人して同時に何かを習い始めればいいのではないか?と思うかもしれません。ところが、習い事というのは上達するペースが人によって異なりますし、向き不向きもあります。

夫婦の間で実力差が生じてくると、それがまたけんかの原因になりかねません。であれば、「同じ趣味を持つべき、楽しむべきだ」という思い込みに陥って無理をするのではなく、お互いが好きなことをやり、それについてはお互いに干渉しないというルールにしておくのがいちばん心地よいのではないでしょうか。

何か1つでも共通の趣味があればそれでいい

私は、理想をいえば、何か1つだけでも共通の趣味があればいいと思っています。それもごくシンプルに楽しめるもの、例えば旅行に行くとかおいしい物を食べに行くといったことであれば、それほどもめることもないでしょう。

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まあ、これとて、食べ物の好みの違いや行きたい場所の違いもありえますが、前述したように何か技術が必要だったり練習したりする必要のあるものに比べれば、話が合う余地はあるし、妥協することも可能ですから、それほどストレスを感じることはないでしょう。

私も妻も旅行に行くのは好きですが、やはり好みは微妙に違います。共通するのは温泉でのんびりするのが好きということなので、温泉旅行はよく一緒に行きますが、それぞれ関心の異なる分野であれば、別々に旅行することもあります。

大事なことは、自分、あるいは自分たちにとって何がいちばん快適なのかを考えることです。

「夫婦で共通の趣味を持つ」ということが大事なのではなく、楽しい生活を送ることが目的なのですから、そのためにはどうするのがいちばんいいかを考えればいいのです。定年対策本や定年対策セミナーの講師が言うようなステレオタイプで表面的なことに惑わされることのないよう、気をつけるべきです。

大江 英樹 経済コラムニスト、オフィス・リベルタス代表

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おおえ ひでき / Hideki Oe

大手証券会社で25年間にわたって個人の資産運用業務に従事。確定拠出年金ビジネスに携わってきた業界の草分け的存在。日本での導入第1号であるすかいらーくや、トヨタ自動車などの導入にあたりコンサルティングを担当。2003年から大手証券グループの確定拠出年金部長などを務める。独立後は「サラリーマンが退職後、幸せな生活を送れるよう支援する」という信念のもと、経済やおカネの知識を伝える活動を行う。CFP、日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『自分で年金をつくる最高の方法』(日本地域社会研究所)、『知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生』(東洋経済新報社)などがある。

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