タクシー客激減「20時以降は空車だらけ」の異様 流転タクシー11回、2度目の緊急事態宣言

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「1月8日以降は2万円台を切ることも出てきましたね。つい先日、都内の帝国ホテルで4時間付け待ちしましたが、同じようなドライバーが何人かいて、結局、私は乗せることができませんでした。当然ですが、普段ならそんなやり方はしません。それでも、今は少しの売り上げにもすがりたい。本当に何をやってもお手上げ状態なんです」

各社は損益やモデル計算を改め、コロナ禍で生き残りをかけて試行錯誤していたが、12月に入って都内の感染者数が増えたことと反比例して、再び大幅な売り上げの減少に直面しているのだ。

こういった状況となり、深夜帯にドライバーが集中する場所は、六本木や新宿、新橋あたりのようだ。六本木を拠点とするベテランドライバーがその理由をこう説明する。

「理由はシンプルで、六本木と歌舞伎町では20時以降も営業を続けているキャバクラや飲み屋がごくわずかですが、存在している。そのほんのわずかなパイのお客さん狙いでドライバーがごった返している。六本木なんかは、割り込みでお客を拾おうとしてドライバー同士のトラブルも起きるという殺伐とした状況です」

新橋は比較的やりやすいエリア

同じく新橋を中心に営業するドライバーは次のように話した。

客を求めてタクシーが集まっている19時過ぎの新橋(筆者撮影)

「新橋は20時以降も開いている飲食店の数がけっこう多くて、やっているお店は例外なく混んでいます。先週の金曜日(1月22日)なんかは、店に入れなくて並んでいる人もいたくらいだから。

深夜までやっている女性が横につく飲み屋も多くて、今の都内だと比較的やりやすいエリアでもありますよ。ただこれは逆の言い方をすれば、ほかのエリアが厳しすぎるという側面もあるんですが……」

池袋や渋谷、品川、上野などターミナル駅のある場所も人は変わらず多いながら、タクシーの利用者が少ない。むしろこれらの人が多いエリアにタクシーが集中することで、ドライバーにとっては死地となりつつある。

日暮里や駒込、巣鴨といった山手線沿線でも好転の兆しは見えず、「12月以降は希望が持てない」と切実な声をあげる。古くからこの町に住む高齢者層も今回の緊急事態宣言では、明らかに外出が減っている(巣鴨のドライバー)というのだ。

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