W杯の高視聴率は、アイドルのおかげ?

米国のサッカー番組を見て思う、日本のガラパゴス事情

筆者は、今、仕事でアメリカのボストンに滞在していますが、今回のワールドカップは視聴率が高いと、アメリカのテレビ関係者が色めき立っているのを感じます。アメリカの国民的なスポーツはアメリカンフットボールなので、いつもはワールドカップといえども、ヨーロッパほど盛り上がらないのですが、今回はどうも様子が違います。

16日のアメリカ対ガーナの生中継番組が、ESPN(スポーツ専門チャンネル)、UNIVISION(スペイン語のテレビネットワーク)の両放送局でサッカーの試合としては最高視聴者数を獲得。ESPNの視聴者数は1110万人、ユニビジョンの視聴者数は480万人、あわせて1600万人だったそうです。そして22日の第2戦のアメリカ対ポルトガルは、2000万人とさらに増加。プロアメリカンフットボールリーグNFLの優勝決定戦、スーパーボウルの視聴者数は毎年1億人を超えますから、まだまだアメフトには及びませんが、それでも2000万人はサッカーにしては記録的な数字なのです。

イギリスでは、初戦のイングランド対イタリアが今年最高の視聴者数を記録。深夜の放送ながら、最高視聴者数は1560万人。さらにパブで視聴している300万人を加えると、1900万人が視聴したと言われています。イギリスの人口は6300万人ですから、視聴率にすると30%ぐらいになります。

しかし、アメリカもイギリスも日本の視聴率の高さ(前半42.6%、後半46.6%)には及びません。視聴率の計測のしかたの違いや多民族国家であることもありますが、日本国民のワールドカップにかける関心は世界トップランク、と言っても過言ではありません。

ヨーロッパ、アメリカに比べて、日本の視聴率(前半42.6%、後半46.6%)がいかに高いかがわかっていただけると思います。紅白歌合戦、オリンピック、ワールドカップは国民的な番組のトップ3。視聴率だけで見れば、ヨーロッパと同等、あるいはそれ以上の盛り上がりを見せているわけです。

アイドル司会の威力は、意外と小さい

紅白歌合戦、オリンピック、ワールドカップは国民的な番組のトップ3。国民的な番組ゆえに、日本戦の試合の司会を誰がやるか、というのはいつも話題になります。

今回のワールドカップの中継では、日本テレビが手越祐也さん、テレビ朝日が矢部浩之さんと香取慎吾さんをMCや応援団長など、重要な役割で起用しました。オリンピックでもワールドカップでも、スポーツの専門家でもないアイドルやタレントがキャスティングされると、視聴者からは「なぜこんな素人が」という批判がおこります。

筆者の同級生が理解に苦しんだように、アメリカでもヨーロッパでもワールドカップは、アスリートが命がけで戦う「神聖な祭典」。プロのスポーツキャスターがきっちりスーツを着て、リスペクトをもって伝えています。日本はどちらかというとW杯を「お祭り」のようにとらえ、こういうキャスティングになったと思いますが、これはこれで日本の民放なりの理由があると見ています。

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