ギリシャ財政危機が開いたパンドラの箱
だが、規制や監督が不十分な中での金融・資本流出入はアジア通貨危機や今般の世界金融危機で見られるように、小国の金融バブルの生成と崩壊の背景となっている」と批判する。IMFもこうした状況下で、「最近では、短期資本流入規制も例外的に是認する場合も出てきている」(同)。
世界にバラまかれたソブリンリスクは日本とも無縁ではない。最近ギリシャをはじめとするソブリン危機が取りざたされるたびに、日本国債のクレジット・デフォルト・スワップのスプレッドも拡大している。
いまのところ、潤沢な家計と企業の貯蓄で政府の借金を賄っている。だが、その額は限界に来ており、少子高齢化を背景に貯蓄率は14年にはマイナスに転じるという試算もある。経常黒字は減少方向にあり、いずれ赤字転落するとみられている。
市場は将来の日本の財政破綻リスクをにらんでいる。日本の新政権は今年、説得力のある財政再建シナリオを提示できるか、問われている。
(シニアライター:大崎明子 =週刊東洋経済2010年4月10日号)
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