竹市靖公・ブロンコビリー社長--外食他社の例を反面教師にしている 

竹市靖公・ブロンコビリー社長--外食他社の例を反面教師にしている 

26歳で喫茶店を始めた頃、新聞募集で集めた従業員は学校一の不良だった子や、入れ墨を彫ったような子ばかり。彼らは一生懸命働いてくれるが、デートがあるからなどと言って欠勤することもしばしばあった。そのときに、組織を安定的に保つためには、皆が統一した価値観を持つ必要があることに気がついた。

同時に、「あんたが一生懸命この仕事をやることは、あんたの将来とも一致しているんだよ」と、従業員一人ひとりの将来の中にその価値観を位置づけてあげる重要性も感じた。

35歳のときに当社の前身となるステーキハウスを立ち上げた。そのときから、従業員とのコミュニケーションを深めるため、月1回深夜のミーティングを開催した。最初は4人だったが、年々人数は拡大。皆参加意欲が旺盛で、18年間1回も休まずにやり続けることができた。

新卒採用で大卒を採り始めたのが、名古屋市外への店舗出店を始めた15年程前だ。当時の外食業界はまだ銀行などから水商売として見られていた時代。

もちろん大卒ではなくても、入社後の教育で十分一人前に育成はできる。ただ、外食業界がちゃんとした“産業”として認知されるためには、中卒、高卒ばかりではなく、大卒者で粒をそろえなければいけない。そうした思いで決断に至った。

日本とは対照的に、アメリカでは外食業に対する評価がとても高い。大学には、ホテル・レストラン科が多く設置されており、特にコーネル大学のホテル・レストラン科は、日本の東大と同等の価値があるほどだ。

当社も研修の一環で年2回、7泊8日、外食の本場アメリカへ従業員を送り出している。パート・アルバイトを含めて参加者は延べ約900人に上り、産業としての外食を現地でじかに感じてもらっている。

社員教育は樹木の年輪

教育に力点を置くのは、外食他社の例を反面教師にしているから、という面もある。2007年にわれわれが上場したジャスダックには、回転すし等を手掛けるアトム、居酒屋の栄太郎、焼き肉のさかいなどに、私よりパワーがあって優秀な経営者がいた。しかし、多くは上場後に業績悪化に見舞われ、身売りをしてしまっていた。 

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