竹市靖公・ブロンコビリー社長--外食他社の例を反面教師にしている 


 彼らの例からは、商品がよくて時代の波に乗っても、従業員の価値観の統一がなければ長続きしないということを学んだ。

売上高の1%以上を占める教育費は同規模の同業他社に比べ、倍近くある。よく機関投資家からおカネをかけすぎだ、人件費も減らすべきなどと指摘を受ける。ただ、私はこれを変えるつもりはない。社員教育は樹木の年輪のようなもので後戻りがなく広がっていくものだからだ。

店の中ではよく2番手、3番手の人が落ち込みやすい傾向にある。彼らは、自分の意見が思ったように通らず悶々としがちだ。外食の場合はそうした感情をシェアする機会も少ないから、合宿研修のようなときに思いを私にぶつけることで解消されればいい。同期で不満のぶつけ合いをしても構わない。それが結果的に現場に戻った際のやる気につながることもあるからだ。

日本の外食業界は今、牛丼を筆頭にお値打ち感に走りすぎているような気がする。同じお値打ち感でも家庭では味わえないもの、たとえばサイゼリヤの299円のミラノ風ドリアや王将フードサービスの炒め物などは強いだろう。王将は鍋振り一つ見ても、相当訓練していることがわかる。

当社の客単価1470円というのは、まさに時流に逆行している。ただ、安いものを2~3回食べるのであれば、うちのステーキをサラダバーも合わせて、たらふく食べたいという人も多いはず。お値打ち感と価値観を同時に味わっていただくためにも社員教育の徹底は欠かせないと考えている。

たけいち・やすひろ
1943年愛知県名古屋市生まれ。69年喫茶トミヤマ創業。78年ステーキハウスブロンコ創業。83年株式会社ブロンコ設立、代表取締役就任。95年株式会社ブロンコビリーに商号変更。

(二階堂遼馬 撮影:田所千代美 =週刊東洋経済2010年4月10日号)

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