300万円の壁を突破 日産EV“一撃”の波紋
課題さえクリアできれば、近い将来に分割方式が実現する可能性は十分ある。また、日産は住友商事と共同でEVの使用済みバッテリーの買い取り・再販事業を検討している。バッテリーの売買市場が形成されると、残価分をあらかじめ車体価格から値引くこともできる。今後、モデルチェンジのタイミングでこうした新機軸を打ち出せれば、EVがより現実的な選択肢(=価格)になる。
一方、三菱自動車はリーフの価格が公表されるやいなや、「i‐MiEV」の大幅値下げを発表。4月からの個人向け販売開始を機に、約62万円下げて価格を398万円にする。補助金分を考慮すれば実質284万円とリーフよりも安い。三菱自は「『2014年までに補助金なしでも200万円台前半』を目標に、段階的な値下げは考えていた。10年度の生産は9000台の予定で、量産効果を売価に反映した」(中村義和常務執行役員)と話すが、戦略商品の価値を大胆に引き下げた成否は今後判明する。
日産の一撃で、相場が一気に下がったことは確か。各社の思惑が交錯する中、価格競争はさらに過熱しそうだ。
(高橋由里、松浦大 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2010年4月3日号)
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