Ｗ杯のデータが面白い！ データを制する者が世界を制し、やがて支配される

Perfumeのダンスをコンピュータで再現できる

さて、ここまでワールドカップのデータを例に話をしてきましたが、それ以外にもデータは大いなる可能性を秘めています。たとえば、クリエーティブカンパニーのRhizomatiks（ライゾマティックス）が手掛けた、「Perfume Global Site Project」では、Perfumeのダンスをセンサーで３次元的に記録し、そのデータを全世界に無料で公開していました。

 ご覧のとおり、数値の羅列ですね。身体の各部位の位置変化を３次元的に表現しており、１秒を40コマに分けて記述しています。2850コマ分のデータが提供されているので、70秒間のダンスの動きがこれで表現されていることになるのですが、ファイルサイズは約2000KB。英数字が200万ケタ羅列されており、人間が読むのは到底不可能です……。

しかし、このデータをコンピュータに解析させて描画させると、いとも簡単に、画面の中でPerfumeのダンスを簡易的に再現できるようになります。現在のコンピュータは自分で考えることはまだまだとても難しいですが、一方でこのような大量のデータの処理には非常に向いているからです。何の意味もないようなデータでも、目に見える形にコンピュータで処理をかけると、非常に大きな価値が生まれる。これが、データの「ビジュアライゼーション」の大きな魅力といえるでしょう。