最後の寝台特急「サンライズ」乗車率向上の方策 出発時刻を早くする、2人用個室を増やす…
JR四国に直通するなら、瀬戸の乗車率を今よりも向上させる必要がある。かつて瀬戸は臨時で松山駅に直通していた。その際のダイヤは東京22時00分発、松山10時59分着。航空機は羽田空港7時30分発、松山空港9時00分着であり、松山空港は市街地とあまり離れておらず、これでは勝負にならないので、2009年を最後に延長運転はなくなった。
瀬戸が遅い理由は「高松駅に到着した後、24分停車し、来た道を折り返す」ことで1時間はロスしたからである。高松駅に寄らず、最初から松山駅を目指せば1時間短縮できるということだ。高松駅に寄らないことは、もう一つ利点がある。それは「東京発を早められる」ことである。東京20時50分発なら松山には8時53分頃に到着する。新居浜7時24分、今治8時05分着と途中の主要駅もほどよい到着時間である(出雲の松江、出雲市着も8時台となり、競争力が増すと思われる)。
沿線人口でも坂出市+高松市47万人に対して、丸亀市+三豊市+四国中央市+新居浜市+西条市+今治市+松山市は合計116万人と、松山方面の方がパイは大きい。
坂出、高松駅の乗車人員は合計1万8320人だが、臨時瀬戸が停車していた丸亀―松山駅の乗車人員は2万4873人であり、乗車人員でも松山方面のほうがパイは大きい。
乗車率が向上したならJR四国の収入も増えるし、JR西日本や東海としても、乗客が増えた分の増収は見込めるので、そう悪くない話だろう。対高松は児島駅で「マリンライナー」と接続してもいい。
四国乗り入れをやめた場合
より収益性を追求するなら、思い切って四国乗り入れを中止する方策も考えられる。285系の保有会社はJR西日本が3編成、JR東海が2編成であり、四国に直通する必然性はないからだ。
かつて285系は臨時寝台特急「サンライズゆめ」として、東京22時10分発、広島10時09分着のダイヤで走っていた。「のぞみ1号」が東京6時00分発、広島8時50分着、「JAL253便」は羽田空港6時55分発、広島空港8時20分着(バスに乗り換えて広島駅9時35分着)なのだから勝負になるはずがなく、山陽本線への延長は2008年で中止された。
これは臨時列車で定期列車を縫う形になり、所要時間がかかるためである。最初から広島方面の利便性を考えたダイヤを設定したら、もっと速くできるはずだ。
サンライズゆめが停車していた福山、尾道、広島駅は空港アクセスが不便である。また、宮島口駅は厳島神社への観光客を獲得できるし、岩国駅は新幹線も航空機も不便だ。徳山、新山口駅も空港から離れており条件は悪くない。
かつての在来線特急「しおじ」並みのダイヤを組んだ場合は、東京発を21時00分としたら、福山6時25分、尾道6時40分、広島7時46分、宮島口8時01分、岩国8時20分、徳山9時10分、新山口9時43分着といったところだ。
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