菅首相、「手遅れ感が満載」の緊急事態再宣言 解散時期は「秋のどこかで」発言ににじむ迷走

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そもそも、東京の新規感染者数は2020年の大晦日に一気に1300人超へ急増した。しかし、この時点でも菅首相らの間に緊急事態宣言を検討する空気は薄かった。

しかし、正月休みで検査数が減った元日以降も、首都圏の感染者数は高止まりが続き、2日に小池百合子都知事らがコロナ担当の西村康稔経済再生相に宣言発出を求めて直談判した時点で状況が一変した。

危機感を強めた菅首相が、3日午後に西村氏や加藤勝信官房長官、田村憲久厚労相らと鳩首協議した席で、「(宣言を)やらないといけないな」と漏らし、方針転換が決まったとされる。

意地の張り合いが事態を悪化させた

これについて、首相周辺は「菅首相が小池都知事に『まずは時短要請を』と頼んだが動いてくれなかった」と小池氏への恨み節を口にしたが、与党内では、「これまでも繰り返されてきた菅、小池両氏の意地の張り合いが事態を悪化させた」(公明党幹部)との見方が広がる。

突然の方針転換で混乱する政府担当者を横目に、小池氏をリーダーとする首都圏の4知事は4日夜、飲食店に対する8日から31日までの午後8時閉店要請を政府に先行する形で緊急事態行動として決めた。同時に、4都県の住民に対して同時期の午後8時以降の不要不急の外出自粛要請も打ち出した。

菅首相の会見を受けて調整に着手した政府が、当初見込んでいた9日午前零時からの宣言発令を1日前倒しせざるをえなかったのも、小池氏らの行動が原因だ。菅、小池両氏は2020年7月のGoToトラベル開始時から「いがみ合い」(政府筋)を続けてきた。今回も「本来、最も連携が必要な首相と都知事の対立が迷走の原因」とされることが、国民の不信や不安を増幅させた。

年頭会見とその後の菅首相の言動にもブレや迷走が目立った。その象徴が衆院解散をめぐる菅首相の言い間違いだ。

菅首相は年頭会見で衆院解散の時期を問われると、「当面は新型コロナウイルスの感染対策を最優先に取り組んでいきたい」としたうえで、「秋のどこかで衆院選を行わなければならない」と発言した。

衆院議員の任期満了は10月21日で、年明け以降それまでの間は「いつでも衆院解散は可能」(自民選対)なはずだ。にもかかわらず、解散権を持つ菅首相が「秋のどこかで」と発言すれば、解散時期は東京五輪・パラリンピック閉幕後の9月初旬以降に限定されることになる。

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