鴻海トップ激白、「シャープにだまされた」 スクープインタビューを週刊東洋経済に掲載!
ゴウ氏が率いる鴻海とは、そもそもどのような会社なのか。
鴻海という社名に親しみはなくても、実は日本人の多くが鴻海製品のユーザーである。iPhone、iPad、プレイステーション、ニンテンドー3DS――こういった電子機器の多くは、鴻海で製造されているのだ。EMSとは、アップルやソニー、任天堂のようなブランド企業から製品生産を請け負う下請け業者なのである。
しかも鴻海の規模は、EMS業界で突出するばかりか、顧客のブランド企業の多くをも軽く凌駕する。2013年の売上高は約4兆台湾ドル(約13兆円)。約1700億ドル(約17.3兆円)のアップルは別格にしても、ソニーの7.7兆円(14年3月期)、任天堂の5717億円(同)を軽く上回る。ちなみにシャープは2.9兆円(同)とやはり大きく水を開けられている。
経済において規模は力である。鴻海が顧客を選ぶという現象が実際に起きている。日本国内のある大手電機メーカーが、一度敗退した海外市場に再参入しようと目論み、鴻海に携帯電話端末の生産受託を打診したことがある。ところが鴻海の答えはノー。「生産台数が鴻海の基準からするとあまりに少なすぎ、とても引き受けられなかった」(鴻海関係者)というのがその理由だ。
鴻海は常に、ある製品分野の1位、2位メーカーを主力顧客として重視している。スマートフォンやタブレットで言えばアップル、ソニー、パソコンで言えば米ヒューレット・パッカードなどだ。逆に言えば、3位以下のメーカーの依頼には、特別な理由がなければ食指を動かさない。一般消費者の前に姿を表さないだけで、鴻海とゴウ氏は、産業秩序を左右する「電子の帝王」なのである。
「今でも出資したいと思っている」
それにしても、ゴウ氏はシャープの誰に、どのように「だまされた」のだろうか。2時間半のインタビューで思いの丈を語った。ただし恨み節だけを述べているのではない。ゴウ氏はシャープに対し、「今でも出資したいと思っている」とも。時価での増資であればいつでも応じると宣言した。
(撮影:尾形文繁)
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