ソニー復活? 3つの挑戦--知られざるビジネス変革[上]

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 「10年は攻めの年」「復興期だ」といったソニー幹部の発言も社外へ漏れ聞こえるようになり、反転のムードが広がる。ただ、今回の復活は今までとは少し様相が違ったものになりそうだ。

「過去15年でソニーは巨大企業になったが、それに見合う大きな利益は生んでいない。それが問題だ」。ハワード・ストリンガー会長兼社長CEOは構造改革さなかの09年7月、神奈川県厚木の事業所を訪れ、集まった中堅社員らにそう吐露している。

ソニーは1990年代半ばから00年代前半にかけデジタルカメラ、ゲーム、パソコンなどエレクトロニクス(エレキ)の新しい事業を次々と花開かせ、企業規模をほぼ倍増させた。今では年商7兆円の“デジタル製品の百貨店”といってよい。

だが今、主要事業を見渡してみると、そこには厳しい現実が横たわる。幅広いラインナップを持ちながら、どれ一つとして他社をシェアで圧倒するメガヒット製品がないのだ。

一方でこの間、競争環境は劇的に変化した。サムスンやパナソニックといった従来からのライバル企業に加え、圧倒的な存在感を示すようになったのはアップル、アマゾン、任天堂といったいわば専門店型の企業だ。

これらの企業は製品数こそ少ないながらカテゴリーキングともいえる強いシェアを誇り、さらにその稼いだキャッシュを製品の革新に傾注する好循環を維持している。これに対して幅広い製品を持つソニーは、どうしても投資が分散しがち。結果として強い製品が育てられない状況に陥っていた。

ソニーではかつて、事業部門ごとが競い合い、社内で認められる製品を作れば市場でも大ヒットするという方程式が存在した。だが今は、社外のライバルが飛躍的に増え同時多発的な競争を仕掛けられている。

この中で、ストリンガー会長ら経営陣が求めているのは製品や事業ごとの最大限の努力ではなく、ソニー全体の規模を生かした全面的、横断的な戦略だ。そしてこの試金石となるのが、テレビを中心とする3D関連製品の戦略だ。

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