ソニー復活? 3つの挑戦--知られざるビジネス変革[上]

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


ハードもソフトも全ソニーの同梱販売

ソニーは11年3月期のテレビ販売台数を前期比1000万台上乗せした2500万台と計画しており、このうち3Dテレビが1割を占める想定。最大市場の米国では、3D比率はもっと上を狙うとしている。ライバル各社も拡販に必死な中、消費者にソニー製品を選ばせる「切り札」とは、3D関連の機器やソフトを同梱販売するバンドル戦略だ。

「箱を開ければ3Dの映画やゲームなどがすぐ楽しめるスターターキットを、6月に向けて準備している」。米ソニーエレクトロニクスのマイク・ファスロ上級副社長はこう明かす。

100年に一度の映像革命ともいわれる今回の3Dブームだが、主要な放送局がまだほとんど番組を3D化できておらず、テレビ本体だけでは3Dコンテンツをまったく楽しめないという点が普及のネックだ。この中にあって、テレビやブルーレイプレーヤーなどの機器を幅広く持ち、さらに映画事業やゲーム事業を抱えソフトも供給できるソニーには強みがある。

そもそも家電製品のバンドル戦略は、サムスンの十八番。大型テレビを買えば小型テレビがもう1台付いてくるといった手法を欧米市場で展開している。ただ、これはセット販売による「価格の安さ、手軽さ」が大きな訴求点。

ソニーにはブランド戦略上、追随しにくい悩みがあった。しかし3D時代のバンドルは、「この組み合わせができるのはソニーだけ」という大きな付加価値を提供できる。

複数のソニー製品が家庭の中にそろう時代を想定し、機器間をつなぐネットワークサービスも、米国を皮切りに間もなく始動する見通しだ。
 
 好奇心を語源に、「Qriocity(クリオシティ)」と名付けられたこのサービスは、米国のソニーホームページで「カミングスーン」という言葉とともにひそかに告知されているだけだが、どうやら3月末までのごく近日中に開始する予定のようだ。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事