米生保最大手メットライフが日本進出、アリコ買収の本当の狙い--ウィリアム・J・トペタ・メットライフ国際部門社長
同じ女性でも、未婚と既婚とでは違ったセグメントになる。どういう保障や貯蓄レベルを望むのか、で違ってきます。たとえば、子供がいない夫婦でどちらかが亡くなった場合は、生命保険のほうにニーズがある。未婚であれば、生命保険というよりも医療や健康保険などが必要になるということです。
--こうした違うセグメントの顧客をターゲットにする場合、商品開発と同じように重要なのが販売チャネルです。その点でもアリコの多様な販売チャネルは魅力ですね。
そのとおりです。実はこの2年間、複数の買収案件が浮上していました。その中で、いま目の前にあるチャンスを的確にとらえられる位置にある保険会社はどこか--。そこで相手を精査した末に、アリコという結論になったわけです。
一気に64カ国へ拡大 グローバル展開が加速
メットライフの役割はまず、そのアリコの営業チームを顧客セグメントに合わせてプロ化していくこと。ハイエンドな顧客に対しても、コンサルタントサービスなどを行いながら、もっとプロ化した集団にしていきます。
こうしたプロ集団を作ることは、すでにほかの国、たとえば韓国などで定年退職の顧客などをターゲットにして成功してきた例もあります。
--「アリコ」という社名、ブランド名は、「メットライフ」に変えますか。また、三井住友海上との合弁については。
アリコは日本において相当のブランド力を持っている。さらに合算しても日本が全世界の売り上げの25%を占める市場であることを考え合わせると、メットライフとアリコが一緒になったので社名を変更する、とは現時点では簡単には言えません。会社名とブランドは別ものと考えれば、会社名はメットライフ、ブランド名はアリコ、あるいはアリコにメットライフの企業キャラクター「スヌーピー」のマークとのコンビネーションかもしれない(笑)。それはまだ市場調査をしてみないとわかりませんね。