一瞬で3億円失った私がやらかした手痛い失敗 投資に挑戦したい人は知っておきたい法則

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人は投資において、負け馬に乗り続けてしまう傾向があります。本当は、マイナスが出たらすぐに切る方が大きな損失を回避できるのですが、なかなかその馬から下りることができません。

一方、一流のプロ投資家は、「戻ったら売ろう」という発想はしません。買ったときの価格にはなんら意味がないことを知っているので、経済状況が変わったり、何らかの新しい要素で未来予測の仮説が変わったりしたのであれば、すぐに手放します。

”ついつい”を引き起こす脳のクセ

脳の癖④「後悔したくない」(後悔理論)
『教養としての投資入門 』(朝日新書) (書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

「買っておけばよかった!」「いま買わないと乗り遅れる!」などと、後悔をしたくないため、ついつい買ってしまう行動を引き起こす脳の癖です。仮想通貨のバブルに乗って、ビットコインを大量に買いあさろうとする人間の心理もこの癖が背景に存在します。

ただ、私はビットコインの将来性を未来予測して、投資をすること自体が問題だということを言っているのではありません。知っておくべきことは、あなたの中にも「後悔したくない」という感情によって突き動かされることは間違いなくあるという点です。

私自身はこの脳の癖がとても強くて、投資を急ぎすぎたり、大幅な買い増しをしたりする傾向があります。脳の癖なので、その癖があることを認識できても、なくすことはできません。ただ、自分にはこの癖が強くあることを知ることで、投資をするときの行動に少しでもブレーキをかけることができるようになります。

ミアン・サミ 投資家

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Mian Sami

1980年、東京・品川生まれ、横浜育ち。国籍は英国、両親はパキスタン人。日本国内のインターナショナルスクールで学んだ後、米国のデューク大学に入学。

電子工学と医療工学を二重専攻、経済学を副専攻。卒業後、日興シティグループ証券(現シティグループ証券)を経てイギリス系のヘッジファンドに移籍し、ロンドンにて6000億を運用するファンドマネージャーに就任。その後、ドイツ証券にて営業部部長として海外機関投資家向けの営業に専念。現在は、ブロックチェーンの後継技術を開発しているHedera Hashgraphアジア統括部長を務める。

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