コロナ禍でガラリ一変「2020年ヒットCM」の法則 リモート撮影やアニメ化、新たに生まれた工夫
コロナ禍は私たちの生活様式だけでなく、テレビCMの制作スタイルや表現手法にもさまざまな影響を及ぼした。今回は2020年度のCM動向を通して、厳しい状況の中でも人々の心を動かしたCMの成功事例を振り返り、ニューノーマル時代の広告のあり方について考えてみたい。
6年連続首位に輝いたKDDI『au』
2020年度(2019年11月度~2020年10月度)に東京キー5局でオンエアされたCMの総数は2446社、6631商品、1万4106作品を数えた。商品数と作品数は観測史上最少を記録し、放送回数も141万2228回と過去最少にとどまった。コロナ禍のため時期や業種によってはCM制作の休止を余儀なくされるなど、大きな変化に見舞われた1年を反映する結果となった。
2020年度の銘柄別CM好感度ランキングでは、KDDI『au』が6年連続の首位に輝いた。松田翔太、桐谷健太、濱田岳らが出演する「三太郎」シリーズが引き続き好評価を獲得。
「みんな、自由だ。」をテーマに展開した年始CMが支持されたほか、実写のキャストが声優を務めたアニメCMも話題となった。また視聴者に公募した本作のぬり絵をつないだCMも展開するなど、コロナ禍ならではの制作手法やクリエーティブが奏功した。
2位はソフトバンク『SoftBank』。松本人志を起用した「勝手にHERO’S」シリーズやブルース・ウィリスがドラえもんを演じるシリーズ、5Gによる新しいエンターテインメント体験を魅力的に描いた『5G LAB』のCMなどが好調だった。犬のお父さんがスマホのビデオ通話でオンライン里帰りをするCMなども展開し、時流に合わせた取り組みが注目された。
3位はゼスプリ インターナショナル ジャパン『ゼスプリ キウイフルーツ』で、“キウイブラザーズ”が「♪ヘルシーは好きなことを楽しみながら」などと歌い踊るCMが大ヒット。そのほか日本マクドナルド『ちょいマック』が6位、日産の企業CMが9位に入り、木村拓哉を起用した2ブランドが圧倒的な存在感を発揮した。
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