「レヴォーグGT EX」348万円台が安いと言える訳 2代目は全ての面で長足の進歩を遂げ、隙がない

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ドアを開けてクルマに乗り込む。この時、すでに何かが違うという実感がある。板バネに代えてコイルを使ったドアチェッカーが、閉まり切るところまでドアの開閉をアシストして重厚なタッチ、〝良いモノ感〟をもたらしているのだ。

そして走り出すと、またもすぐに従来とはまったく別物だと分かった。発進はとてもスムーズで、従来の微妙なフリクション感がすっきり解消されている。スッとタイヤが転がり出し、この時点で「いいクルマじゃない?」と思わせるのである。

のけぞるような速さではないがなんとも心地よい

その先の加速も爽快だが、のけぞるように速いのではない。アクセルオンで身体がのけぞるのはトルクの出方が滑らかではないから。新しいレヴォーグのパワートレインは、もっと品がある。欲しい時すぐに力が発揮され、まさに打てば響くレスポンスと、水平対向エンジンらしいスムーズな回転フィーリングも相まって、走りはなんとも心地よい。

加えて、シャシーも飛躍的にレベルアップしている。SGP第1弾として登場したインプレッサは正直、走りの基本は良さそうでも、乗り心地もNVHも雑味が多いのが気になっていたのだが、高剛性ボディを得て、ようやくそのポテンシャルがフルに発揮できるようになったのだろう。ボディはいかにもガッチリしていて、ストロークを前25%、後10%伸ばしたというサスペンションがとてもしなやかに動く。意地悪く段差を乗り越えてみても姿勢が乱れたりせず、どっしりと構えた安心感がある。

ステアリングフィールもまた気持ちが良い。初採用の2ピニオン式EPS、そしてキングピンオフセット低減によって操舵感は雑味がなくスッキリ。旋回姿勢にもギクシャクしたところが無く、ライントレース性は上々である。率直に言って、一度これに乗ったら旧型には戻れないというぐらいの別物感だ。

特に面白いのはSTIスポーツである。初搭載の電子制御ダンパー、さらにパワーユニット、ステアリング、AWD制御、エアコン、アイサイトの設定を4モード+独自設定に変更できるドライブモードセレクトは、それぞれのキャラクター変化がハッキリしていて変化させる愉しさがある。一方、固定レートのダンパーを使うGT─Hの乗り心地は快適性重視。これだけ柔らかくしてもちゃんと気持ち良く走るのは、土台の底上げの賜物と言うべきだろう。

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