「レヴォーグGT EX」348万円台が安いと言える訳 2代目は全ての面で長足の進歩を遂げ、隙がない

✎ 1〜 ✎ 56 ✎ 57 ✎ 58 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

見どころは走りだけではない。たとえば居住性。フロントシートは新設計となり、腰まわりのぴたっと身体に沿った感じなどからして、ようやく心地よいサポート性を得ていそうな印象だ。後席は座面長が伸ばされ、こちらも座面形状が見直された。

荷室も縦横高さ全方位に拡大されていて、床下収納まで含めれば39L増の561Lという収納力を誇る。ハンズフリーオープンパワーリアゲートも装備され、使い勝手も良い。

そして最後になったが、やはりアイサイトにも触れないわけにはいかない。標準のアイサイトでも、広角化された新型ステレオカメラに、新たに前後左右側方レーダーを組み合わせることにより、基本性能を大幅に向上させているのだが、目玉はやはり最先端の高度運転支援システム「アイサイトX」だろう。3D高精度地図データ、準天頂衛星「みちびき」による高精度GPS情報の活用により実現したのは、渋滞時ハンズオフアシスト、車線変更アシスト、カーブ前や料金所での減速制御といった機能だ。

「すべての制御がきわめて自然」なのが凄い

アイサイトXの凄さは、こうした〝何ができる〟という話だけでなく、すべての制御がきわめて自然なこと。小刻みにステアリングと進路が左右したりはせず、うまいドライバーの運転にゆだねているかのような安心感高く、そして快適な走りなのだ。さらに〝どれだけできる〟かも白眉の出来で、テストコースでは今まで同じ場所で試したどのクルマよりも高いトレース性を実現していた。

『2021年版 間違いだらけのクルマ選び』(草思社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

現時点でこれほど先進的で、そして人間に寄り添った運転支援システムを私は知らない。デジタルコクピットもリアルタイムの周辺情報、制御状況を的確に知らせてくれ、なるほどこのためにも必要だったんだなと納得させられる。

走りとクオリティは一気にグローバルレベルに進化し、使い勝手は高まり、さらにはアイサイトXという武器も手にした新型レヴォーグは、まさにすべての面で長足の進歩を遂げた。しかも、この内容でベースのGTにアイサイトXをプラスしたGT EXなら348.7万円で手に入れられるとは何というリーズナブルさだろうか。それも含めて、今のところ文句をつけたくなる部分は皆無。本当に素晴らしいクルマの登場である。

島下 泰久 モータージャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

しました・やすひさ / Yasuhisa Shimashita

1972年生まれ。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。走行性能からブランド論まで守備範囲は広い。著書に『間違いだらけのクルマ選び』(草思社)。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事