「頭がいい人」が結果を出す「図で考える」習慣

思い込みや暗黙の前提を打ち破る「田の字」思考

いざやってみると非常に難しい作業だが、軸の定義づけの巧拙が、戦略の質そのものを大きく左右するため、図をにらみながら脳に汗をかく気持ちで取り組む必要がある。試行錯誤そのものが目的でもあるのだ。

対立する2つの要素を「軸」に

軸の選定における思考の効率と精度を高めるために、いくつかの「切り口」を頭に入れておこう。

まずは、対立する2つの項目を考えてみるという切り口だ。例えば、「量を増やせば質が落ちる」というのは定説だが、あえて対立する「量」と「質」を軸に取った「田の字」を描いてみてほしい。すると、量も質も高めて、右上のマスに近づけることが最も理想的だという目標が見える。そこで、右上のマスに向かう道筋をシミュレーションしてみるのだ。

右上のマスに向かうには「質を上げてから量を増やす」「量を増やしてから質を上げる」「質と量を同時に上げる」の3つの道筋があるが、それぞれが実現可能か、難易度はどうか、何に依拠するか、どんな影響が考えられるか――これらをとことん考えることで、現実的な方策が見えてくる。

同様に「チャレンジの回数を増やせば成功率は下がる」というような相関関係も、「回数」と「比率」をあえて軸にした図を描くと、既成概念を打ち破り、新たな視野を見いだす取っ掛かりになるだろう。

このように、「量×質」「絶対値×比率」など相反する2つの要素は、「田の字」で見ることで、てんびんにかけてどちらかを取るというものではなく、「掛け算にできる2つの要素」として捉えられるようになるわけだ。

■1つの要素を2つの属性に分解する

考えている要素を2つの属性に分解するという切り口もある。例えば、小売店における「品ぞろえ」という要素を分解してみよう。コンビニやスーパーなどの売り場を眺めて、「品ぞろえが多いな」と感じる要素はなんだろうか。

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