熟年離婚したら夫は妻に年金をどう分けるのか 別れる前に年金分割の取り分を知っておこう
分割後の年金記録を元に年金額が決まることになりますが、実際に分割の結果が反映されるのは年金を受給し始めて以降になります。したがって、50代のうちに離婚して、標準報酬改定請求がされたからといって、すぐに何かが起きるわけではありません。もし、年金を受給し始めてから年金分割をした場合は、標準報酬改定請求の翌月分から分割後の年金記録・年金額へ変わることになります。
年金分割をすると、年金記録はどうなるか、どれくらい分割されるかについて、年金事務所等へ情報提供請求を行えば、情報提供を受けることができます。離婚前でも離婚後でも情報提供請求は可能ですが、情報提供請求を行うと、「年金分割のための情報通知書」が送られます。
情報通知書には、夫と妻それぞれの対象期間標準報酬総額(標準報酬の合計)、按分割合の範囲、対象期間(婚姻日から離婚日まで。離婚前の情報提供請求の場合は婚姻日から請求日まで)が表示され、また、50歳以上の場合であれば、分割後の年金の受給見込額も表示されます。
離婚前の情報提供請求の場合は、夫婦のうち請求した本人にしか情報通知書は届きませんが、離婚後の情報提供請求の場合は、元夫、元妻それぞれに情報通知書が届くことになっていますので、もし、自身が情報提供請求をしていないのに、情報通知書が届いたら、元配偶者が情報提供請求を行ったと考えられるでしょう。会社員の夫側としても、情報通知書により、分割するとどうなるかイメージができ、これを元に離婚後の将来に備えることができるでしょう。
長く連れ添ってから離婚する場合は要注意
年金分割により、会社員の夫の年金全体の半分が分割されるわけではありませんが、標準報酬の分割がされると、いくらか年金額が減るのは確実です。
婚姻期間中の自身の標準報酬が高く、相手の第3号被保険者期間が長く、婚姻期間が長い場合は、分割により減る額は多くなるでしょう。また、夫婦のままでいれば加算されることがある加給年金は離婚すると加算されなくなります。
離婚から実際の年金の受給までまだ何年かあるようでしたら、どれくらい年金が減りそうかを現時点で確認しつつ、離婚後の資産状況、今後の働き方も含めて、将来の家計について考えていく必要があるでしょう。
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