出前館「圧倒的な急成長」の知られざる舞台裏 創業20年で2万弱の加盟店が今年だけで2.5倍に
藤井:飲食業の起業を希望している未経験者が、メニュー開発や調理に集中できるような形をつくることが目的でした。
また、1つの場所にお店が集まることで、ラーメンと焼き鳥、ケーキなどという通常では不可能な組み合わせで同梱することができ、一緒にお届けできる仕組みができるようになります。
狩野:これはフードデリバリーを注文するユーザーにとって大きなメリットですね。家族のなかでも濃い味の料理を好む人もいれば、薄味を食べたい人もいます。選択肢が増えますね。
三神:単品で勝負することはいちばん利益を出しやすく、インキュベーションの切り口で言うとリスクを下げられる仕掛けなので、これも大きなメリットがありますね。
配送拠点で配送品質を高める
狩野:デリバリー業界は競争相手も増えてきましたが、どのような切り口を考えていますか。
藤井:配達代行の配送拠点で配送品質を高めることを考えています。食事を扱うので、手洗いうがいやマスクの着用、検温を徹底しています。一度拠点に来てから出ていく形をとるわれわれの仕組みは、競合他社の仕組みと比べると目が行き届きやすいのです。
狩野:配達の際に無謀な運転で、届いた食品の見た目が崩れていることがあります。配送の品質を上げる取り組みはしていますか。
藤井:採用時に面談やテストを実施し、講習を受けていただきます。慣れるまでは先輩社員と同行して2人でお届けし、手順を覚えてから1人立ちさせていく仕組みを導入しています。
三神:マッチングをするアプリで自由に空き時間で配達するのはよくあるパターンですが、配送員が「どのメニューが人気か」という情報まで伝達する、マーケティングの役割も担っているのは斬新ですね。配送員が配達以外の業務も担うことで、スキルアップした暁にはどのような展開が待っているのでしょうか。
藤井:配送員はアルバイトで入り、能力が認められるとアルバイトリーダーとしてその拠点のリーダーになります。その後は社員となり、スーパーバイザーとして複数の配送拠点をみてもらいます。アルバイトから正社員に上がっていくという仕組みで、正規雇用を地方でどんどん増やしていく取り組み行っています。