ふるさと納税で「損する人」「トクする人」の差 絶対に押さえておきたい4つのポイント

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注意点4――ワンストップ特例は確定申告をすると無効になる

注意点の4つ目は、ワンストップ特例を申請していても、確定申告をすると、その申請が無効になってしまうことです。確定申告をするときは、必ずふるさと納税の内容を含めるようにしましょう。そうしておかないと、2000円どころか節税メリットをまったく得られない結果になってしまいます。

ふるさと納税の仕組み

最後に、ふるさと納税の仕組みをより押さえておきたい人のために、仕組みを簡単に説明しておきましょう。最初に説明したように、ふるさと納税では、1万円を寄附した場合には、自己負担分2000円を引いた8000円を、自分が支払うべき税金から引いてもらえるようになります。

所得税では、確定申告をすると、下図の算式で、「寄附金控除額」が計算されます。

ふるさと納税の場合は、これに加えて、住民税で、下記の算式で控除額が計算されます。この金額が支払う予定の住民税から、引かれることになります。

『自分ですらすらできる確定申告の書き方 令和3年3月15日締切分』(KADOKAWA)書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

ふるさと納税の控除額=下記①と②の合計額

①基本分 (寄附金[総所得金額等の30%が限度]-2000円)×10%

②特例分 (寄附金-2000円)×(90%-その人の所得税の税率[限界税率])※個人住民税所得割額の2割が限度

所得税と住民税の計算式を見ると、寄附金額から2000円を引いているのがおわかりいただけると思います。これが、いわゆる自己負担額にあたるものです。

ふるさと納税は、賢く使えば自治体へ貢献でき、かつ節税メリットの大きい制度です。ですが慣れない税金計算などがありますので、本記事で気をつけるべきポイントを押さえたうえで、ふるさと納税サイトを活用しながら検討するとよいでしょう。

(構成:前窪明子)

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