独断で選ぶ「乗り心地がいい」夜行列車ベスト10 戦後の列車を軸に評価、あの寝台列車の順位は

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2位は寝台特急トワイライトエクスプレスの看板設備「スイート(展望タイプ)」。扉を開けたときに、ホテルそのものの「部屋」が見える感動は大きい。

トワイライトエクスプレスのスイート(写真:JR西日本)

個室の入り口に靴を脱ぐ場所があるのも高級感がある。補助ベッドにもなるソファは場所を変えられるので、列車最後部に向けて展望を独占できた。冷蔵庫があるのも便利だった。

3位は現役の「カシオペアスイート(展望タイプ)」。靴を脱ぐ場所があり、冷蔵庫も備わるスイート(展望タイプ)のほうが設備はいいが、列車最後尾の側窓が大きいのは素晴らしい。展望室のペアシートは可愛いデザインで、座り心地はまずまず。シャワールームも機能的で使いやすい。

4位は寝台特急最高の寝台料金だった夢空間「エクセレントスイート」。室内に入るとソファ2脚が置かれた「居間」があり、寝室は別にある豪華仕様。高島屋が担当した内装は落ち着きがあった。浴室も備わり、列車内での入浴には特別感があった。

5位は同じく夢空間「スーペリアツイン」。居間がなく寝室+浴室だが、ロングシート+机の居住スペースが設けられていた。寝台幅82cmのツインベッドはくっつけることも可能。

6位はトワイライトエクスプレスの「スイート(方窓タイプ)」。前後方向の開放感と、大きな側窓が印象的だった。洗面所と独立したシャワールームはこの設備だけで、展望タイプよりも特別感があった。

7位はシャワーを個室内に備えた1人用個室寝台「ロイヤル」。寝台特急北斗星の看板設備で、初乗車時には個室の広さに驚いた。JR北海道保有のロイヤルは天井に星空の照明がなされ、楽しかった。内装はスイートのほうに高級感を感じた。

8位は現役の「カシオペアスイート(メゾネットタイプ)」。2階建てで2階が居間+シャワー。1階が寝室という構造で、開放感は少ないが、同乗者に気兼ねせずに2階で起きていられた。

9位は「リニア・鉄道館」「碓氷峠鉄道文化むら」に保存された戦後初めての1等寝台車。寝台は事業用に改造されて畳となったが、許可を得て寝転ぶと、重厚感のある高い天井と調度品に往年の豪華さを感じた。

10位は現役のサンライズ「シングルデラックス」。床面積は上位設備のロイヤルに劣らぬ設備で広い。大きな机と椅子を個室内に備え、仕事もしやすい。

昼間の居住性に優れるのは?

この項目は昼間時の居住性を評価する。座席状態の居住性を重視するが、眺望性やプライベート感も考慮する。

1位:20系1人用個室寝台「ルーメット」
2位:「あかつき」シングルデラックス
3位:「あけぼの」シングルデラックス
4位:「ウエストエクスプレス銀河」グリーン個室
5位:「カシオペア」カシオペアスイート(メゾネットタイプ)
6位:「北斗星」ツインデラックス
7位:「トワイライトエクスプレス」スイート(展望タイプ)
8位:「サンライズ」シングルデラックス
9位:「北斗星」ロイヤル
10位:20系開放形A寝台

1位は初代寝台特急20系の1人用個室「ルーメット」。昼間時のソファは幅が広く、沈み込むような重厚な座り心地で、リクライニングしない座席ではマイテ49形1等展望車と並び、最高の座席。側窓も大きく、個室の狭さを感じさせない。

2位は寝台特急あかつきの1人用A個室寝台。この寝台はギャッジ式で、枕木方向に設置された寝台の通路側を電動で持ち上げ、寝ながら景色が見られた。

3位は寝台特急あけぼのの1人用A個室寝台。下段寝台を壁側に折りたたむとソファとなった。座面が低く、重厚な座り心地で快適な座席である。なお「小坂鉄道レールパーク」で動態保存され、宿泊も可能だが、現在ではコロナで中止。再開が待たれる。

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