鳴り物入り「デジタル庁」の議論が残念な理由 期待される役割は「ハンコ撲滅」じゃない

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菅内閣がデジタル庁を設置することで、日本企業の競争力を取り戻す起爆剤となるだろうか(写真:共同通信)

菅内閣の目玉政策として、来年度中にデジタル庁を設置することが議論されている。デジタル庁は省庁の垣根を超えたデータのやり取りを強制する強い権限を持つこと、一時的な組織ではなく恒久化すること、などが報じられている。

しかし、平井卓也デジタル担当相が発する「コネクテッド・ワンストップ」「ワンスオンリー」といった言葉や、河野太郎行政改革担当相によるハンコの議論を聞くと、少々心配になってくる。

それらは、政府内部のデジタル化や、行政サービスのデジタル化について述べているにすぎず、今までも政府CIO(最高情報責任者)を置いて進めてきたことと根本的に変わっていない。行政のデジタル化には大賛成ではあるものの、どうにも物足りない点があるのだ。

そこには、デジタル化によって日本経済全体の競争力をどうしていくのか、という重要な視点が抜け落ちている。

独り勝ちを生みやすいデジタル経済の中で、今日本経済のデジタル武装を推進しなければ、日本はさらに後れをとってしまいかねない。政府レベルでしかできないことがあると筆者は考えている。

デジタルを使った産業構造転換と標準化の主導

まず、デジタル化による産業構造の転換の促進と、そこにおける標準化が必要だ。

今後さまざまな製品がプラットフォームに接続されるようになり、そこを中心に産業が発展していくことが予想される。

プラットフォームとは製品やサービスの機能を集約的に提供し、プラットフォームを使用する製品やサービスの効用を最大化するものだ。今後、顧客はプラットフォームを通じて製品やサービスを使うようになる。顧客がタクシーの配車プラットフォームを使うと、その利便性は従来のタクシー会社による無線配車の比ではない。

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