コロナ禍でもウォルマートが強みを見せた理由 新宅配サービスを即発表したアジャイル型組織

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アジャイル型組織が実際にどのような組織なのかを具体的にみていこう。

アジャイル型組織とは、最大でも10人前後までのメンバーで構成される。システム開発、新規事業開発、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進などの分野ですでに広く応用されており、少人数チームが自律的に行動し、既存組織を横断したチームとして機能することで、チーム内ですばやい意思決定ができるようになっている。

アジャイル型組織には、「自律的な行動を促しつつ、チーム活動の障害を取り除くスクラムマスター」と「顧客の声を代弁して成果物の最終決定権と責任を持つプロダクトオーナー」の役割がある。特筆すべきは、重要事項はすべてチーム内で意思決定し、スクラムマスターやプロダクトオーナーはチームのリーダーではないという点である。

メンバーはそれぞれが専門分野を持つことが奨励され、「とがったスキル」を持つメンバーが一体となって、チームとして大きな成果を目指す。
異質かつ専門スキルを持つメンバー同士が独自の視点で不確実な事象への対応策を考え、これらをチームで議論し統合して方向づけていく。

アジャイル型組織では、メンバーのタスクの進捗状況を「バックログ」と呼ばれるリストで管理し、それはメンバーのだれもがわかるようになっている。さらに、毎日15分ほどの情報共有会を開催し、メンバー間のすり合わせを小まめに行う。

アジャイル型組織とは、さまざまな取り組みを通じて、コミュニケーションの質と量を担保するチーム活動のフレームワークのようなものともいえる。

すばやい対応を実現した農業機械大手AGCO

アジャイル型組織ならではのこうした強みを取り入れることで、新型コロナウイルス感染拡大期にすばやい対応を実現した企業に、グローバル大手のアメリカ農業機械メーカー、AGCOがある。

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