人気急上昇の「変額保険」に潜む意外な落とし穴

なんとなく貯まりそうだけど本当にお得なの?

「変額保険」は今、生命保険会社の「イチオシ商品」と言っても過言ではない。だが勧められるまま加入すると思わぬ落とし穴も……(写真:xiangtao/PIXTA)

自営業の大塚大貴さん(仮名、30歳)は、保険会社に勤める友人に資産形成のためにと「変額保険」を勧められました。月額保険料は約2万8000円で、保険料払込期間は25年です。60歳以降の10年間、運用成果に応じた年金が受け取れます。大塚さんは「変額保険」と、「つみたてNISA」や「個人型確定拠出年金」(イデコ)との違いを教えてほしいと相談に来られました。

変額保険はじわじわ販売件数を伸ばし、現在取り扱っている生命保険会社は2018年と比べて8割増、2019年と比べても約5割増えたそうです。今後は、大塚さんのように変額保険を検討される方も増えてくると思いますので、その仕組みを知っておきましょう。

変額保険に力を入れる生命保険会社の思惑

まずは、生命保険会社がなぜ変額保険に力を入れ始めたのか、背景についてお話ししたいと思います。

実は、2017年後半くらいから2019年にかけては、筆者のもとへは「外貨建て保険」についての相談が続いていました。生命保険会社の営業に憤りを感じたことも少なくありませんでした。当時、国債の金利が下がったことで「円建て商品」の魅力が薄れ、代わりに外貨建て保険が熱心に売られるようになったのです。

黒田東彦日銀総裁のもと、日銀が長期国債を大量に買い入れる「異次元金融緩和」で長期金利は極めて低い水準となりました。この影響で、2017年4月に標準利率が1%から0.25%に引き下げられました。標準利率の変更は生命保険会社の予定利率に影響を与えます。予定利率が引き下げられると、以降の新契約の保険料は引き上げられやすくなるのです。

当時、生命保険各社は値上げを抑制する取り組みも行っていたでしょうが、保険料が値上げされたり、円建て商品の販売が中止されたりしました。代わりに主力商品となったのが外貨建て保険というわけです。保険会社は「消費者の貯蓄ニーズに応える商品だ」と熱心に販売しましたが、とくに高齢者には商品性の複雑さとリスクを正確に理解することが難しく、国民生活センターには苦情が多く寄せられることになります。

しかしその後、外貨建て保険はアメリカ金利の低下で販売するのが難しくなり、さらにコロナ禍による営業自粛も加わって販売額が減少するに至っています。世界的低金利も受けて、生命保険会社は外貨建てから円建て商品へ、再び舵を切ったようにみえます。変額保険が販売を伸ばしている背景には、このような動きがあると考えられます。

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