2ちゃん創設者が分析「炎上を起こす人」の生態 ネットには「金はないが時間はある」暇人が多い

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「炎上」に並んでネット社会で問題になっているのが「フェイクニュース」です。

日本経済新聞の電子版に、MMDLaboとテスティーという二つの会社が共同で行った調査に関する記事が掲載されました。その調査では、スマートフォンを持つ18歳から69歳の男女にアンケートを行い、1533人から回答を得ています。「フェイクニュース」に関する質問では「フェイクニュースを見たことがある」と答えた人が34.4%に上っています。ネット上に多くのフェイクニュースが流れていることを示している結果です。

ただ、その「見た」というのは、おそらく後から「フェイクだったんだ」と気づいたのではないでしょうか。つまり、見ているときには気づいていないのではないかということです。というのも、「フェイクニュースを見破る自信があるか」という設問に関して「自信がある」と答えたのは、10代11.1%、20代9.5%と若い世代でも決して高くなく、50代に至っては2.8%しかいませんでした。

さらに、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターのグループが10代から60代までの6000人を対象に行った調査結果も、フェイクニュースに対する脆弱さを裏付けています。

そこでは、実際に拡散した9つのフェイクニュースについて聞いているのですが、それらをウソだと気づかなかったのは60代で84.4%、50代で80.1%、40代で74.0%に上ったそうです。つまり、年齢に関係なく、多くの人がネットに流れるウソの情報を、そのまま信じ込んでいるのです。

リテラシーのない人たちが「善意」で拡散させていく

昔から、デマの拡散はよくありました。しかし、それは人の口から口へと伝わるものが大半で、広がり方も規模が小さかったし、伝えている人の顔が見えました。だから、伝えるほうとしても、あまり無責任なことはできませんでした。ところが、ネットなら言いっぱなし。およそ、ソースの確認など行われません。

「大地震で○○動物園からライオンが逃げ出した。近隣の人は気をつけて」「コロナウイルスは26度のお湯で死滅する。試してみて」こうした、あたかも親切な人によって与えられたかのような偽情報を見たときに、「ソースはどこか」「エビデンスがあるのか」と考える人は少数派で、たいていは「早く仲間に教えてあげなくちゃ」と拡散します。つまり、悪意のある人のくだらない快楽のために、善意の人たちがいいように使われてしまうのです。

僕は20年ぐらい前、テレビのインタビューで「ウソはウソであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」と発言しました。この言葉は2ちゃんねる内で名言的な扱いを受け、現在でも当時のキャプション画像が使われていたりします。僕のこの考え方は今も変わっていません。

『叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

インターネットでは、真偽不明のさまざまな情報が飛び交っています。その中にウソが紛れ込んでいる、もっと言えば、ほとんどがウソだという場合もあります。だから、ある程度リテラシーがある人でないと、ネット上に漂うフェイクニュースや陰謀論のようなまったく根拠のない情報に騙されてしまうのです。

スマートフォンの普及により、今はほとんどの人がネットを日常的に使う世の中になりました。その分、「ウソを見抜けないのにネットを使っている人」も増えてきています。そういう人が誤った情報を拡散させているのです。

街を歩いているときに、見知らぬ誰かが寄ってきて「実はね……」と耳打ちされたなら、たいていの人は不審に思うでしょう。それなのに、最初から騙す目的で、顔も知らない誰かがつくり上げたことを、簡単に人は信じてしまうのです。

ひろゆき 「4chan」管理人

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Hiroyuki

本名・西村博之。1976年神奈川県生まれ。中央大卒。1999年にインターネット匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。東京プラス代表取締役、未来検索ブラジル取締役など、多くの企業に携わり、企画立案やサービス運営、プログラマーとして活躍。2005年、ニワンゴ取締役管理人に就任。翌年、「ニコニコ動画」を開始。2009年に2ちゃんねるを譲渡後、2015年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。

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