あと50年で「平均寿命」が33年も延びる理由 健康長寿を可能にする科学とテクノロジー

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「老いなき世界」を社会はどう迎え、ビジネスはどうシフトし、私たちはどう生きるべきか(写真:Sergey Nivens/PIXTA) 
人生100年時代とも言われるように、人類はかつてないほど長生きするようになった。しかし、その結果として不自由な体を抱え、病気に苦しめられながら、長くつらい晩年を過ごすのであれば、私たちはよりよく生きるようになったと言えるのだろうか?
だが、もし若く健康でいられる時期を長くできたらどうだろうか? いくつになっても若い体や心のままで生きることが可能となったとき、社会、ビジネス、あなたの人生はどう変わるのだろうか?
全米ベストセラー『LIFESPAN(ライフスパン):老いなき世界』で、老化研究の第一人者であるデビッド・A・シンクレア氏(ハーバード大学医学大学院遺伝学教授)は、老化は治療できる病であると主張する。本書から一部を抜粋・編集してお届けする。

健康寿命はどこまで延びるのか

健康寿命がどこまで延びるのか計算してみよう。

『LIFESPAN(ライフスパン):老いなき世界』特設サイトはこちら(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

それも、だいぶ控えめな計算だ。今後50年の間にこうした多種多様なテクノロジーが産声を上げていったとして、それぞれが健康な寿命を延ばすことにどれくらい貢献するかを考えてみたい。

DNAをモニターすることで、医師は病気が顕在化するずっと前に気づけるようになる。がんについても、何年も早い段階から見つけて闘うことができる。感染症にかかったら、その正体はものの数分で突き止められる。

心拍に乱れがあれば、車の座席が知らせてくれる。呼気を分析すれば、免疫疾患を発症しつつあることがわかる。キーボードの打ち方からは、パーキンソン病や多発性硬化症が早期に発見できる。

医師は自分の患者について、今とは比べ物にならないほど豊富な情報を手にすることになり、しかも患者が実際に病院に来るかなり前からそのデータにアクセスできる。医療ミスや診断ミスは大幅に減る。このうちどれか1つでも実現すれば、健康な寿命が数十年分追加されてもおかしくない。

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