「在宅の部下」を心配する上司に欠けた視点 「タスクありき」ならチームの生産性が上がる

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あなたも、こんな風に感じることはありませんか。

「Aさんが残業を40時間もやっているのに、Bさんは5時間しかやっていない。Bさんは仕事をじゅうぶんにやっているのか」といった思考ノイズが頭をよぎったり、「Cさんのところは子どもが小さい。在宅勤務で、ちゃんと仕事をしているのだろうか」などといった雑念が浮かんでしまうことは。

「人ありき」のチームマネジメントをしていると、どうしてもこういう考え方になってしまうのです。

ですから、意識するのはまずタスクです。メンバーがちゃんと働いているかどうかではなく、チームとして果たすべきタスクがさくさく処理されているかどうかだけに、リーダーは焦点を合わせるべきです。

正直なところ、以前は私もそうでした。

部下が夜遅くまで仕事をしていたり、週末もオフィスに出てきたと聞くと「頑張っているな」と思ってしまいます。

どんな仕事(=タスク)を処理していたのかも知らないのに、「最近、努力しているな」という印象をもってしまうのです。

もちろん、長い時間働いている人は頑張ってはいるでしょう。それは認めたい。

しかし、リーダーが感覚的に「頑張っている」「よくやっている」といった評価をしつづけていると、ちゃんと仕事をしているのに自己アピールが足りないせいで評価されないメンバーの不満は大きくなっていきます。

「人ありき」ではなく「タスクありき」

「カオナビHRテクノロジー総研」の調査結果(2019年)では人事評価の不満な点について以下のようになっています。「評価結果に納得感が無い」が半数を超え、「評価者が信用できない」「評価理由に納得感が無い」がそれにつづいているのです。

「アデコ株式会社」の調査結果(2018年)においても、「評価基準が不明確」「評価者の価値観や経験によってばらつきが出て、不公平だと感じる」といった不満が上位を占めました。

『優れたリーダーは部下を見ていない』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

裏を返せば、人事評価に満足しているメンバーは、職場への満足感・エンゲージメントも高い傾向にあるわけです。リーダーにとっては無視できない要素ですよね。

さらに、メンバーに気を遣いすぎてチームが予定どおりのゴールを達成できないのであれば、リーダー自身の評価にも影響が出てしまいます。まさに踏んだり蹴ったりと言えるでしょう。

悩めるリーダーは、ぜひ、この「人ありき」の考え方から「タスクありき」の考え方へとシフトしましょう。その結果として、上司、部下双方が満足のいくマネジメントとなるに違いありません。

横山 信弘 経営コラムニスト

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よこやま のぶひろ / Nobuhiro Yokoyama

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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