明石家さんま、高校で突然人気者になったワケ 素人なのに「好きな芸能人」にもランクイン

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徒競走でスタートと同時に逆走して笑いをとり、体育部長を務める乾井を怒らせていた高文は、運動会のクライマックス、クラブ対抗リレーでも笑いをとりにいく。

高文はサッカー部の最終走者。全校生徒がグラウンドを取り囲んでいた。第1走者から陸上部とサッカー部が熾烈なトップ争いを繰り広げ、後のクラブは団子状態。そしていよいよ最終走者にバトンが託されようとしていたそのとき、異変が起こる。

最終走者が待機する場には、各クラブのエースではなく、高文とその仲間たちが立っていた。バトンを託された高文は、勢いよく走り出すが、来賓席付近で仲間たちと手をつなぎ出し、ゆっくりと歩き始めた。

一瞬の静寂の後、グラウンドを取り囲んでいた生徒たちの歓声がドドドドーッと波打った。高文は清々しい表情を浮かべながら、生徒たちの歓声に応えるように手を振り、仲間たちと歩みを進める。「杉本~! 走れ~!」乾井の拡声器を通した怒号がグラウンドに響き渡り、高文らが一目散に逃げ出すと、グラウンドに地鳴りのような笑い声がこだました。

グラウンドの中央で正座させられ

必死の形相で追いかける乾井。すさまじいスピードで逃げる高文。

「高坊~! 逃げろ~!」と、親友の大西康雄が叫ぶ。

生徒たちは皆、高文を応援していた。来賓席からも笑いがこぼれていた。笑いが絶頂に達したところで、高文は乾井に捕まった。グラウンドは一瞬にして静まり返り、運動会は中断される。

グラウンドの中央で正座をさせられる高文とその仲間たち。乾井は竹の棒を持ち、高文をにらみつけている。ちらほらと笑い声も聞こえてくるが、生徒たちは静かにその様子を見守っていた。

「お前ら何考えとんじゃ~!」

乾井は竹の棒を振りかざし、1人ずつ懲らしめていく。

「バシーン! バシーン! バシーン!」と静かなグラウンドに乾いた音が鳴り響いた。

残るは康雄と高文。乾井は康雄の頭をめがけ、竹の棒を勢いよく振り下ろした。

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