「裏社会でも覚醒剤中毒は嫌われる」意外な理由 強迫観念や幻視で錯乱状態になる様子は狂気

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世界で流通するマリファナや覚醒剤。そのビジネスの実態に迫る(写真:花咲かずなり/PIXTA)
スラム街や国境裏ルートなど、世界の危険地帯を数多く取材してきた丸山ゴンザレス氏。自身の経験談や取材のノウハウを書き記したエッセイ『世界ヤバすぎ! 危険地帯の歩き方』を基に、今回は世界における薬物流通の実態をお届けする。
前回:スラム街で一番怖いのは「犬」という衝撃事実

ドラッグ相場は何で動く?

「これで500ジャマイカ・ドルだ」

差し出されたビニールの小袋には、マリファナを乾燥させたものが入っていた。ジャマイカの首都キングストンのトレンチタウンというスラム街では、マリファナの販売店が路面に沿ってある。

店といっても建物の窓から金とマリファナを受け渡すだけ。その窓の位置も、大人が手を伸ばしてやっと届くような高さだ。これはセキュリティの一環らしい。

渡された袋の中に入っていたマリファナは日本円にして約500円分。この金額でジョイントが5〜6本は作れる量がある。ジョイントとはマリファナをタバコ状に巻いたもので、タバコと同じように火をつけて煙を吸入する。ジョイントを購入するとなると日本では1本で4000〜5000円といったところだろう。値段だけで比べたらおよそ50倍の差になる。

ちなみに日本以外の場所と比較しておくと、ニューヨークでほぼ同じ量が50ドルで販売されていた。そうなるとジョイント1本あたり1400円ぐらい。ジャマイカの14倍だが日本よりははるかに安い。

このようにマリファナひとつとってみても、違法とされるドラッグの値段は国によってだいぶ異なるのだ。

そこで疑問に思う。どうして国ごとに値段が違うのか。値段の差が発生する原因を解説しておこう。

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