バイデン氏に世界各国が「お願い」し始めたこと サミットのような多国間連携が再び重みを持つ
第15回G20サミットである2020年リヤド・サミットが、11月21・22日にサウジアラビアの主催で開かれた。今年のサミットに対する期待度は決して高くなく、その理由は3つあった。
今回のG20サミットの限界
1つ目は、新型コロナウイルスの感染拡大によってバーチャル開催を余儀なくされ、参加者同士の直接会談や二国間協議が不可能になったことである。これまでは、こうした会談のほうがサミットのコミュニケ(G20を構成する19カ国と欧州連合が最低限共通した事項を反映した共同声明)よりも具体的な成果を生んできたといえる。
2つ目は、今年の主催国であるサウジアラビアが、人権政策において非難が続いている国であるということだ。特に2018年10月にイスタンブールで起きたジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏の殺害事件は、サウジ政権に対する非難を広い範囲で引き起こし、ヨーロッパの多くのリーダーたちに対してサミットをボイコットするようにとの呼びかけがあった。
3つ目が1999年にG20を設立した国の1つであるアメリカの存在である。2017年のドナルド・トランプ大統領の就任以来 、アメリカは貿易や気候変動、難民、移民などの課題に関し、ほかの大半の参加国に反する方針を取り続けてきた。さらに、11月3日にアメリカ大統領選でトランプ氏が敗北したことで、同大統領が退任する来年1月20日まで「レームダック状態」(退任することが決まっているため、政治的な影響力が低下する状態)になったこともある。
ただし、トランプ氏はほかのG20参加者らに対して「これまで一緒に働けて光栄だった。また長く一緒に働けることを楽しみにしている」と伝えたと報じられている。
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