トランプ「大逆転の可能性」どれくらいあるのか

バイデン大統領就任までの5つの「関門」

(写真:REUTERS/Carlos Barria)

大統領選挙で有権者の声は示された。それで、今後の展開はどうなるのか。

通常なら投票日から大統領就任式の日までに行われることは形式的な儀式にすぎず、ほとんど誰も注意を払ったりはしない。ところが、今回は国民の意思を確定するためのマニアックな手続き論が公共の重大関心事になっている。トランプ大統領が選挙でバイデン前副大統領に敗北したことを認めず、共和党幹部も民主的なプロセスを覆そうとするトランプ氏の試みを黙認しているためだ。

最初の「山」となるのは

まず、誰もが避けて口をつぐんでいる問題にずばり答えを出そう。トランプ陣営は本当に選挙結果を覆せるのかという問題だが、その可能性は限りなくゼロに近い。

確かに、保守派が優勢となった連邦最高裁判事と、連邦議会上院および多数の州議会で過半数を握る共和党議員が結託してトランプ氏を続投させ、アメリカを憲政上の危機に陥れるシナリオが消えたわけではない。だが、選挙法の専門家たちは、このような事態にはならないと断言する。

本稿では、来年1月20日の大統領就任式までのプロセスと、その間にトランプ陣営に残された介入の余地を整理し、トランプ陣営が選挙結果を覆すのがなぜそこまで難しいといえるのか、その理由を見ていくことにする。

第1の関門:訴訟を起こせる期間は実質的に限られる

手続き的にいって最初の山となるのは、州による選挙結果の確定だ。郡の職員など各州の選挙管理人は、すべての票を数え、総数をダブルチェックし、有効な票がすべて集計されたことを確かめなくてはならないが、具体的な手続きは州によって異なる。

これらの選挙管理人が最終的な集計結果を州に報告し、州の選挙管理人トップ(大抵は州務長官だが、その限りではない)が結果を取りまとめて州知事に提出する。この作業には各州が独自に定めた期限があり、すでにいくつかの州は作業を終えている。最も期限が遅いのはカリフォルニア州で12月11日だ。

州知事は選挙人団が招集される12月14日までに、それぞれの州の確定済み票数合計と選挙人の名前とともに「確認証明書」を議会に送付しなければならない。しかし、「セーフハーバー(安全策)期限」として知られる12月8日までに確定した結果は異議申し立ての影響を受ける可能性が大幅に下がるため、各州は作業を前倒しするのが普通だ。

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