トランプ「大逆転の可能性」どれくらいあるのか バイデン大統領就任までの5つの「関門」

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「合衆国法典第3編第5章に基づく手続きに不備があるため、この選挙は本質的に失敗している、といった主張を展開してくるかもしれないが、過去にこのような議論を実際に試みた者はいない」。非政府組織「法の下の公民権を求める弁護士委員会」のジョン・グリーンバウム主任顧問は、選挙人をめぐる争いに適用される連邦法の条項に触れて、こう述べた。

「私たちの見るところ、法に反することが次々に起こらない限り、共和党議員は有権者の意思を覆せるところにまでこぎ着けることはできない」

「不誠実な選挙人」が現れる可能性は?

第3の関門:選挙人の「造反」は法的にも政治的にも無理筋

12月14日、各州の選挙人はその州が選んだ大統領候補に正式に投票するが、多くの州が選挙人に投票を確約した候補者(ほとんどの場合、州の一般投票で勝利した候補)への投票を法で義務づけているため、「不誠実な選挙人」が現れる可能性は小さい。2016年の大統領選挙では選挙人の造反がいくつか見られたものの、最終的な結果に影響はなかった。連邦最高裁はこの夏、州が選挙人の造反を禁じる法律を満場一致で合憲としたため、不確実性の種は一段と減っている。

極めて考えにくいことではあるが、1つの可能性としてあり得るのは、競合する2組の選挙人団が出現する展開だ。州議会がどうにかしてトランプ氏を支持する選挙人の指名にこぎ着けて法的な批判を乗り切る一方、州知事が通常のプロセスでバイデン氏を支持する選挙人を認定するシナリオである。

この場合は、どちらの選挙人の票をカウントするかは連邦議会の判断に委ねられる。

ただ、投票権に関する超党派組織「キャンペーン・リーガル・センター」のポール・スミス訴訟・戦略担当バイスプレジデントは「このようなことが起こるとは思えない」と話す。「例えば巨大な機能不全が見られるといったように極めて明確な根拠が存在しない限り、『民主的な手続きには従わないことにした』と議会が宣言するのはかなり難しい」。

第4の関門:問題の激戦州の選挙人は民主党が押さえている

1月6日には、連邦議会が選挙人の票を集計して結果を確定する。

いかに例外的な年であっても、州の確認証明書が送付される12月8日、遅くとも12月14日までには論争は決着し、それ以降の手続きはすべて形式的なものとなる。おそらく今年もそうなるだろう。しかし万が一、州議会と知事が対立する選挙人を指名した場合、議会は選択を迫られることになる。

1960年にはこれと似たようなことが現実に起こった。ハワイ州知事は141票差でリチャード・ニクソン候補の勝利を証明したが、再集計でジョン・F・ケネディ候補が逆転し、選挙人の招集段階で結果は最終的なものになっていなかった。

ハワイ州の選挙人投票はケネディ氏の勝利という全体の選挙結果を左右するものではなかったが、それでも議会はこの論争を解決しなければならなかった。当時、現職の副大統領として上院の議長を兼務していたニクソン氏は、自らケネディ氏を支持する選挙人の票を集計の対象とすることで全会一致の賛同を求めた。

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