販売台数No.1、日産「新型ノート」の劇的進化 第2世代になった「e-POWER」でHVの覇権を狙う

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新型ノートの車両価格は、前輪駆動(FWD)車の202万9500円からとなり、2モーターによる4輪駆動(4WD)も追加されるとのことだ。4WDは12月正式発表、2021年2月発売予定となっている。

また新型ノートのe-POWERは第2世代と位置付けられ、ハイブリッドシステムの中核となるモーター、インバーター、ジェネレーター、そしてガソリンエンジンが新設計となっている。パワートレーンの大幅なアップデートにより、さらにEVらしさを高め、静かで上質な走行を実現しているという。

第2世代e-POWERと新プラットフォームの採用

e-POWERは、ガソリンエンジンとモーターを併用するHVなので、もちろん電気自動車のEVとは異なる。とはいえ、日産自動車のシリーズ式ハイブリッドシステムは、発電のためにガソリンエンジンを使用するので、他社と比較するとEVに比較的近いことが特徴だ。

第2世代e-POWERは、発電に使うガソリンエンジンの始動を極力抑え、また発電に際しても速度が上がったり急加速したりというように、騒音が大きくなりがちな場面で積極的に充電を行うことにより、一般道での通常走行ではできるだけガソリンエンジンをかけない制御がなされる。

第2世代e-Powerの静寂性は、低速域でのエンジン作動回数を大幅に削減した制御システムを採用したキックスでも体感できる(写真:日産自動車)

そんな第2世代e-POWERは、小型SUVのキックスでも体感できる。現行ノートやセレナに対し、キックスはe-POWERを搭載する段階で、そうした静粛性を高める制御が用いられたからだ。その効果は大きく、あたかも充電のいらないEVを運転しているかのような気分になる。

技術面では、車両の骨格になるプラットフォームから新設計とし、より上級の小型車向けプラットフォームを開発することで、乗り心地と操縦安定性がいっそう高まっているとのことだ。未確認ではあるが、ルノー・日産・三菱アライアンスのなかで、ルノー「ルーテシア」に新プラットフォームが使われており、その操縦安定性と静粛性は高い水準にある。

提携関係を活用したプラットフォーム戦略のなかで、ノートにも同じか、または同様のプラットフォームが採用されているかもしれない。ルーテシアの試乗では、とくに高速域での安定性と操縦の的確さが印象深かったので期待が高まる。

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