リニアは、世界でも通用するのか? 米東海岸で進む、知られざる巨大プロジェクト

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安倍首相自ら、オバマ大統領にトップセールス

「ぜひ今日の乗り心地をホワイトハウスに伝えて頂きたい」

4月12日、山梨県都留市のリニア実験センター。リニア実験線に試乗した後の会談で、安部晋三首相はケネディ駐日米大使に向かって、そう語りかけた。会談にはJR東海の葛西敬之名誉会長も同席。首相自らの熱い問いかけに、ケネディ大使は「素晴らしい。米国にも恩恵を与えてほしい」と応じた。

実は水面下では、4月23日~25日に訪日したオバマ大統領の「初のリニア実験線試乗」も、日本政府内で検討されていた。が、国賓待遇で時間がタイトな中、東京―山梨の往復で5時間はかかるため、断念したのである。ただ、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の話題で隠れてしまったものの、日米首脳会談の公式文書(外務省)では、「安倍総理より、(中略)超電導リニア技術の米国への導入を日米協力の象徴として提案した。オバマ大統領及び同席のバイデン副大統領は、この提案を関心を持って聞いていた。」との一文を盛り込むことができた。

安倍首相によるリニアのトップセールスはこれが初めてではない。13年には、2月の米国における日米首脳会談で安倍首相がオバマ大統領に提唱、また9月のニューヨーク証券取引所での講演でも首相が米国での導入を訴えている。

もともとオバマ大統領は09年の1期目の就任時、「高速鉄道構想」をブチ上げ、環境・エネルギー政策への積極的な投資を掲げていた。米国再生・再投資法では高速鉄道に80億ドルの拠出を実施。2期目に入り、政権の求心力は弱まったものの、モーダルシフト(鉄道輸送への転換)への思いは強い。JR東海も既存の新幹線では、ヒューストン―ダラス間(テキサス州)への導入を狙っている。

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