リニアは、世界でも通用するのか?

米東海岸で進む、知られざる巨大プロジェクト

4月の日米首脳会談後に会見した安倍首相(右)とオバマ大統領。TPPだけでなく、リニアにも文書では言及した(撮影:尾形文繁)  

2027年に東京(品川)―名古屋間、2045年に名古屋―大阪(新大阪)間が開業予定のリニア中央新幹線。総工費9兆円の壮大な計画だが、実はもう1つ、進められている案件がある。米国東海岸を走るリニアの米国プロジェクトである。

リニアは海外では「SCマグレブ(Super Conducting Maglev)」と称される。JR東海は2009年に「海外高速鉄道プロジェクトC&C事業室」を新設。米国や東南アジア、オーストラリア向けに、新幹線やリニアを普及させる組織を作った。19世紀から鉄道網の発達する欧州大陸などは避け、経済成長の可能性があることに加え、他の交通機関との競合が少なく、今後高速鉄道の普及する素地のある国・地域が照準になっている。

日本の高速鉄道はすでに台湾で実績がある。台湾新幹線(台北―高雄間)が07年に営業運転を開始し、これが唯一の成功案件だ。車両は東海道新幹線の「700系」がベースで、信号システムなども日本勢が受注した。それでも、加ボンバルディアや仏アルストム、独シーメンスの3強に比べ、世界の鉄道市場で日本のシェアは1割程度。日本の高速鉄道をアピールするべく、JR東海・東日本・西日本・九州の4社を中心に、IHRA(国際高速鉄道協会)を発足させたばかりだが、海外で日本の影は薄い。“ガラパゴス”にならないよう、必死に手を打ち始めたのが実態だ。

次ページ首相自らオバマ大統領にトップセールス
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ゴルフとおカネの切っても切れない関係
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
改正対応待ったなし!<br>働き方と仕事の法律

同一労働同一賃金の本格化、中小企業でのパワハラ防止対策の義務化など、今年は重要な改正法の施行が目白押し。2022年に施行される法律の要点に加え、昨年の4月に施行された改正民法も総点検。改正ラッシュへの備えを万全にするための法律虎の巻です。

  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT