自民がリニア「関西同時開業」を狙う舞台裏 利子と税金で、JR東海を財務支援?
高速鉄道がまたも“政治”に翻弄されてしまうのか。今秋にも着工するリニア中央新幹線に対し、自民党がまたぞろ動き出している。
JR東海に数百億円の利子補給。税優遇も検討
核となるのは「リニアの名古屋・関西同時開業」案だ。リニアは2027年に名古屋、2045年に大阪開業を目指し、民間企業のJR東海が1社で事業を手掛けている。総工費は9兆0300億円。うち名古屋までが5兆4300億円、大阪までが3兆6000億円を占める。多額の長期債務を背負うため、JR東海があえて開業時期を2段階に分け、財務負担のリスクを分散させた経緯がある。
いわば、その隙を突いたのが、自民党。国にJR東海への財務支援をさせる一方、関西までの同時開業をさせようという腹なのだ。
4月24日に開催された、自民党の「超電導リニア鉄道に関する特別委員会」。委員長の竹本直一衆院議員(近畿比例ブロック)のほか、財務問題ワーキングチーム事務局長の盛山正仁議員(衆院兵庫1区)をはじめ、関西選出の国会議員が多い。そこで、「超電導リニア新幹線(東京~名古屋~大阪)全線の建設・同時開業に関する決議」が提案され、即日決議された。
「ナショナルプロジェクトとして超電導中央リニア新幹線施設の建設費を一時的に国が建て替えて、東京~大阪間全線を開業することが、我が国の経済成長を大きく推進することに寄与するものである」
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