レナウンのトップ交代 課題山積み厳しい船出

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レナウンのトップ交代 課題山積み厳しい船出

攻めの経営が裏目に出た。業績の急激な悪化で会長と社長が同時退任へ。再建に残された時間は少ない。
(週刊東洋経済2月23日号より)

 老舗アパレルのレナウンがトップ交代を発表した。3月1日付で渡辺省三会長、岡康久社長が顧問に退き、中村実取締役が新社長に就任する。同社は先月、2008年2月期が24億円の営業赤字へ転落すると発表したばかり。結果的にこれがトップ交代への引き金を引いた。

 04年に旧レナウンと紳士服のダーバンが経営統合して以来、渡辺・岡の両氏は資産売却や子会社整理など再建に力を注いできた。05年に投資ファンドから100億円の出資を受けた後、06年度からは「攻め」に転じる3カ年計画を策定。だが、打つ手はいずれも成果を見るに至らなかった。

 手薄だったヤングキャリア向けブランドで積極出店を図ったが、数多くの競合に押されて不振が続く。また、英国の高級ブランド「アクアスキュータム」の活性化に、10年までの4年間で75億円の投資を計画したものの、赤字は膨らむばかり。岡社長は「攻めに打って出るほどの体力はまだなかったというのが率直な感想」と振り返る。

 経営の立て直しを任された中村氏は「売り上げを落としてでも徹底して筋肉質の会社を作る」と抜本改革を強調。不採算ブランドを廃止し、人員削減も進めるという。自らもかつて事業本部長を務めたアクアスキュータムは「われわれの重要な財産。もう少し時間が欲しい」と語った。

 だが、消費低迷で衣料品不振が続く中、業界に淘汰の波が襲うことは必至。テコ入れに一刻の猶予もない。
(週刊東洋経済:堀越千代 撮影:梅谷秀司)

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