ZOZO、カリスマ引退と大反省を経て描く未来 澤田社長はトップダウンから組織力の転換を推進

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――ファッションテックの領域では、3D計測ができるボディスーツ「ゾゾスーツ2」を10月末にリリースしました。旧ゾゾスーツでは大赤字を出しただけに、少し不安がよぎります。

「ゾゾスーツ2」は計測の精度を高めることに力を入れた(写真:ZOZO)

僕らはものづくりをやってきた会社ではなかったから、旧ゾゾスーツとPBの取り組みで「製造業ってこんなに難しいんだ」と痛感した。大いに反省している。だから「ゾゾスース2」はとにかく計測の精度にこだわった。テストを重ねて、世の中に出しても絶対恥ずかしくないというレベルにまで到達できた。

(2020年2月に無料配布を始めた足のサイズを計測できる)ゾゾマットも自信を取り戻すきっかけになった。ゾゾマットの計測精度に関しては「すごいね」と評価してくださる声が多くて、靴の返品率も実際に下がっている。一定のレベルまでテストを繰り返してやれば、満足いくものができるという感覚ができた。

――「ゾゾスーツ2」は一般配布をせず、計測技術を活用するパートナー企業を募集しています。

旧ゾゾスーツでは、ダイエット系やヘルスケア系とか(外部から)いろんな使い方の提案を受けていた。この技術は協業パートナーを募って、遠心力を働かせたほうがうまくいくのではという考えが直感的にある。だから(今回のゾゾスース2は)技術のオープン化という道を選んだ。パートナーと協業した結果、一般消費者に配る可能性も十分ある。

前澤氏は羽を伸ばして楽しんでいる

――前澤氏は今もZOZOの株式を17%を保有する第2位株主です。経営方針について定期的に意見交換しているのでしょうか。

創業者の前澤氏から経営に対する口出しは「一切ない」と話した澤田社長(撮影:今井康一)

それはないです。彼もやりたいことがとにかくいっぱいあるから。

――先般、前澤氏はユナイテッドアローズやアダストリアの株を大量取得していましたが、そういう報告は?

いや、まったくない(笑)。僕らも報道で知りました。

――本人が会社に来ることは?

まったくないですね。上場企業(の社長)ではできなかったことを羽を伸ばしながら楽しんでやっている状況なので、僕らとしてはそれを応援したい。

「一株主として応援するよ」というお話はもちろんいただくが、「ああせい、こうせい」みたいな話は一切ない。

真城 愛弓 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

まき あゆみ / Ayumi Maki

東京都出身。通信社を経て2016年東洋経済新報社入社。建設、不動産、アパレル・専門店などの業界取材を経験。2021年4月よりニュース記事などの編集を担当。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事