大統領選後の株価予測で必ず押さえるべき真実

この「ドル安円高局面」はいつまでも続かない?

つまり、選挙前には「大統領選挙は、トランプの圧勝なのか、バイデンの圧勝なのか、それともかなりの接戦で結果が判明するまで時間がかかるのか、先行きに確証がない」という状況だったものが、徐々に開票が進んで、可能性が絞り込まれていったと言える。

こうした、筆者の「どちらが大統領になるかは重要ではなく、選挙を通過することがポイントだ」という考え方に比べ、マスコミの場況解説は選挙情勢と株価上昇を無理に結び付けようとしていたものが多かった。

当初、投票日前から見切り発車的にアメリカの株価が上昇し始めた際には「ジョー・バイデン候補有利との世論調査を好感し、株価が上がった」と解説された。だが開票後しばらくすると「トランプ候補が善戦していることを好感し、株価が上がった」との記事が増えた。さらにそのあとは「バイデン氏が大統領になりそうだが、上院は共和党が多数との情勢となり、バイデン氏の政策が議会で通りにくくなったので、株価が上がった」との文言が目についた。

これでは読んでいる方が、わけがわからないだろう。何もマスコミを責めているわけではない。マスコミは、市場関係者や投資家、専門家に取材して書いているのだろうから、取材元の解説が右往左往していると推察できる。そうした種々の解説よりも「大統領選・議会選を通過すること自体が、不透明要因の剥落として好材料」と考えたほうが腑に落ちるだろう。

以上の諸点を踏まえると、先週の主要国の株価上振れも含めて、中長期的に株価が上昇方向である、ということ自体に不思議はない。

投げ売りが急上昇を呼び込んだ

だが、前出のように、前回の当コラムのタイトルは「11月以降、日米の株価はジワジワ上昇しそうだ」となっていた。実際、先週の株価上昇は、ジワジワというより、「ドカン」に近いだろう。このように短期的には、筆者が想定していた以上の株価上振れとなった要因として、前月末にかけての株価下振れが、一時的に下げすぎであったことが挙げられる。

特に欧州における新型コロナウイルスの流行再燃が悪材料とされたが、企業も家計も流行第1波の際の経験があり、経済活動にパニックが生じて第1波を凌駕するような経済混乱に陥るとは見込みにくい。

前述の2つの不透明要因を前に、多くの投資家が売買ともに控えていたところ、コロナ禍再燃を口実としての売り物がかさんだため、思いのほか株価が下振れし、それが投げ売りを誘発した、というところだろう。

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